企業インタビュー

大塚製薬 インタビュー

2024年2月6日

大塚製薬株式会社 資材部の皆様に、「CPP資格取得」の背景やご活用についてお伺いしました。

資材部 部長 山下 恵嘉 様

資材部 医薬・コスメディクスチーム 部長補佐 矢木 大輔 様 係長 清水 理恵 様 係長 浮島 晴加 様 湯ノ谷 憲一郎 様

資材部 ニュートラシューティカルズ製品チーム 課長 齊郷 俊樹 様 係長 白須賀 るみこ 様 係長 森 隆史 様 課長 宮下 尚之 様 係長 近藤 志帆 様

※以降敬称略、所属・役職はインタビュー当時
※医薬・コスメディクスチーム:医薬・コスメチーム
※ニュートラシューティカルズ製品チーム:NCチーム

大塚製薬
目次

CPP資格を持つことで、自分の気持ちにも違いが出てくる

世界の人々に貢献する製品を提供する

佐伯 弊社は「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」を企業理念としています。社員の誰もが暗唱できるこの理念には
1. 自らの手で独創的な製品をつくること
2. 健康に役立つものであること
3. 世界の人々に貢献できる会社であること
これら3つの考え方が包含されています。
弊社は製薬会社ではありますが、医療関連事業とニュートラシューティカルズ関連事業、つまり治療と予防、この2つの両輪を回すことで経営を司っています。医療関連事業は医薬品による治療、ニュートラシューティカルズ関連事業は健康の維持・増進に貢献すべく事業を展開しています。
大塚グループは今年で創業102年を迎えます。今後のヘルスケア領域では、治療と健康維持・増進は同じ領域として人々の健康年齢を引き上げる役割を担うと考えています。その双方で世界の人々に貢献する製品を提供する。これが次の100年に向けた大塚製薬の指針です。

調達の共通事項を体系的に学べる

現在のお立場や役割、そしてCPPを知ったきっかけを教えてください。

白須賀 NCチームの原料担当としてカロリーメイトやソイジョイなど、飲料ではない食品にあたるブランド製品の原料の購入を担当しています。
だいぶ前にはなりますが、元資材部のメンバーから「こんな資格があるよ」と教えてもらい、テキストを紹介されたのが最初でした。そこから時を経て数年前、NCチームで予算を取りCPPの勉強をしていこうと本格的に着手し始めました。

私はNCチームで飲料関連の原材料を担当しています。
資材部に着任したのが2020年。以来チームの先輩方からOJT指導は受けていましたが、実際の業務を進める中で、自身の知識やスキルを向上させる学びの必要性を感じていました。
その折チームとしてCPPの勉強を始めてみようとの動きがあり、まだまだ経験が浅い中こうして資格取得のチャンスを得られ非常にありがたかったです。

宮下 私はNCチームで包材を担当しています。飲料のペットボトルやキャップ、ラベルの調達を担っています。医薬・コスメのチームにも所属していた経験があります。
私も3年前、営業から資材部に異動したため、当初は調達の仕事を全く理解していませんでした。どこから勉強したらよいかと思っていたところ、CPPの資格があると知りました。同じタイミングで当時所属していた医薬・コスメチームでCPP資格取得に向けた動きがあり、志願して勉強を始めたのがきっかけです。

湯ノ谷 私は前職で10年ほど調達に従事していましたが、今年大塚製薬に入社し初めてコスメ領域の担当となりました。畑違いの分野にまだまだ戸惑いもありますが、様々な領域を包含し、調達の共通事項を体系的に学べるCPPを一つの好機と捉え、B級を取得いたしました。

清水 私はこの10月から資材部に配属となったばかりで、調達のノウハウもまだ全くない状態です。CPPの勉強を通じて資材のプロとは何かを知り得るのではと期待しています。

近藤 私もこの10月、営業という全く畑違いの分野から資材部に異動してきました。CPPという資格があることだけは聞いていましたが、中身はまだ全く知りません。期待に応えられるよう資格の取得を目指します。

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価格交渉に非常に役立っていると感じています

勉強はどのように進めたのですか?

白須賀 チームで勉強した後、Webセミナーを受講しました。その上で個人的にも勉強し試験に臨みました。

私はひたすらテキストを見返すことに一番時間を割いたかと思います。併せてチームの勉強会は非常に有効だったと感じています。NCチームでは、テキストを各自が持ち帰って勉強するのはもちろん、自分が学んだ知識を人に伝える場を「チーム勉強会」と名付け、定期的に設けていました。

資格取得に向けて勉強した経験を振り返っていかがですか?

白須賀 最初テキストを見ただけでは手強い印象を受けましたが、読んでいくうちに日々実践している業務とリンクする部分とそうでない部分が明らかになりました。リンクする部分は非常に納得感があり腹落ちしました。これまで体系的に購買・調達分野の勉強をしたことがなかったため大変有益だったと思います。

私は全く調達の知識がないレベルから勉強を始めたため、今のタイミングで「調達業務とは何か」から学べた点は非常に有意義でした。学んだことをできるだけ実務に活かしていきたいと目下模索中です。

どのようなポイントが実際の業務に活かせそうだと感じますか?

交渉に臨む姿勢ですね。開発購買の概念が示すとおり、単なる値下げ交渉ではなかなかコスト削減にはつながりません。QCDのバランスが必要です。
コストを下げるだけでなく、安定調達を図る上でも開発段階から携わることは非常に重要です。実務と並行してその点を学べた経験は、より自分の力になったと実感しています。

浮島 私も開発購買はかなり勉強になりました。価格交渉に非常に役立っていると感じています。コロナ禍での急激な原材料高騰により価格交渉を必要とする場面が非常に増えました。
モノの原価がどのように成り立っているのか。調達・購買の広い範囲を勉強したことにより、その観点からも考えられるようになったのは大きな成果だと思います。

浮島 CPPの勉強を通じて得られた知識を基に原料メーカーと価格構成の話ができるようになったので、今後はその部分をより広げ、価格交渉の根拠分析に活かしていきたいですね。
また、開発購買の視点から生産や開発領域まで一歩踏み込み、最初の製品設計段階から資材としての意見を入れてもらいながら製品構築まで関わっていけたらと思います。

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理論武装の一つの手段として非常に活用できる

白須賀 弊社は技術主導的な側面が強く、これまで開発部門が全てを決めることが多く、資材部はあまりそこに関与できていなかった現状がありました。
しかし、コロナ禍以降、それだけではなかなか立ち行かない社会的変化も生じた中、少しずつではありますが、資材部が製品開発の領域まで入るべく努力しています。その際、CPPの知識は理論武装の一つの手段として非常に活用できると感じています。

近藤 今後調達を担当するにあたり、CPPには基本となる知識が盛り込まれていると理解しています。CPP資格をベースに持つことで、仕事に対する自信も含め、自分の気持ちにも違いが出てくるでしょう。資格取得を目指し努力していきます。

宮下 営業やマーケティングの本は世の中に溢れていますが、調達分野の本はまだまだ少ないのが現状です。調達を体系的に勉強する機会が少ない中、CPPの学習はそれを得られる貴重な場です。調達に携わる方にとって非常に有益だと感じています。是非皆さんに活用いただきたいですね。

白須賀 調達分野に着任して間もない方にとってCPPの勉強は体系的な知識を習得する上で非常に役立ちます。
一方、経験豊富な方にとっても、今まで自分がやってきたことは本当に合っているのか、その答え合わせをする意味でも非常に意義があると感じています。業界を問わず「ベテランだからもう資格取得は不要だろう」ではなく、幅広い方たちに役立つと思います。そのためにもCPPの認知度が高まることを期待しています。

齊郷 私自身1年前に資材部へ異動した当初、調達領域はマニュアルが全くない世界、ある種属人的に積み上げてきた経験を発揮する世界だと思っていました。
しかし、初心者が仕事に従事するには体系的な教育が必要です。CPP資格を先に取得した先輩に倣い、目下私も勉強中ですが、調達を体系的に学べるCPPで得た知識は新たな強みとなります。交渉の側面からも非常に学ぶ点が多く資格取得を目指して努力していきたいと思います。

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