三菱UFJ銀行 インタビュー3:情報集約が鍵!コストリダクションの成果

株式会社三菱UFJ銀行 経営企画部 購買戦略室 購買・調達グループ 次長
齊藤 隆 様に、「CPP資格取得」の背景やご活用についてお伺いしました。

(※以降敬称略、所属・役職は2023年12月20日時点)

国部
業務委託の範囲は幅広いと思いますが、システム関連も購買戦略室の統制範囲に含まれますか?

齊藤
システム関係のコストは、システム企画部という部署が管理しています。我々が関与する部分もありますが、システム関連の価格統制には、我々とはまた違う知見が必要であり、同部署のリードで様々な取組が進められています。テキストの開発購買の章は興味深く読ませて頂きましたが、課題を感じる部分でもあります。両部署で取り組んでいくべき領域かも知れません。

国部
業務委託系の他、消耗品、交通費等のコスト管理をされていると伺いましたが、一番キャッシュアウト比率が大きいのは何ですか?

齊藤
やはり委託費が大きいですね。

国部
メーカーにとっての支出は形あるものが多いですが、銀行の場合、調達品には具体的にどのようなものがありますか?

齊藤
当室が見ているコストとしては業務委託費が大きな割合を占めます。出張・旅費交通費や、情報を買う領域、更にはお金を物理的に運ぶための車両、保管といった物流費も管理対象に含まれます。いずれも専門性が必要ですし、全国での活動に伴うまとまったコストが発生します。

国部
現組織の創設前、部門・組織ごとの単位で行われていた印刷物や消耗品等の購買を、現在は購買戦略室である程度統括されているのですよね。

齊藤
そうです。ただ、間接購買においては、どこまで購買組織が決定権限を持つべきか。スピードの遅延の要因にもなり得るため、そのバランスは非常に難しいテーマです。テキストにもそうありましたね。
我々の場合は、原則的なルールを作れる領域は作りますが、個別判断が必要な案件についてはあくまで現場が希望に基づく原案を作り、我々はその申請に対して、培ってきた知見を持ってサポートする立場です。或いは、現場から知見提供の依頼があれば、積極的にアドバイスもします。ビジネス領域においては、各ニーズに照らしたアウトプットが可能なサプライヤーについて、我々よりも現場のほうが知見を持っているケースもあります。一方、世の中一般の最新の価格水準は現場には見えていないこともあるかも知れません。互いの知見を組み合わせて、良い結論を導けるように相互に努力しています。

国部
購買戦略室ができる前は、その機能はなかったのですね。

齊藤
はい、ありませんでした。各部の判断で行っていたので、例えば同じ材・サービスを購入していても部署によって単価に差がある、といったケースもあったはずです。

国部
組織を立ち上げて3年経過しましたが、情報も集約されて、購買戦略室として具体的な成果はありましたか?

齊藤
室としてということであれば、郵送物の統制は大きな成果を上げた領域でしょうか。銀行の取り扱う郵送物の量はとても多いため、コストも非常に大きな規模になります。原価を構成するのは、紙代などの物件費、印刷費だけでなく、郵送費も含まれます。印刷の単価だけでなく、送り方を変更するだけで、郵送費においても大きなコストリダクションが狙える領域でした。部署立ち上げ当初から、当室の担当がルールメイクをしてくれ、従来は封筒で郵送していたところを、圧着はがきに変更する等の取組をしました。仕様の違いだけで1~2割程度のコスト削減が出来たのではないでしょうか。私は当時、担当部の方におり、個々の郵送物について、これらは本当にお客様がお求めのものなのか?という観点から、発送の是非から見直すプロセスに関わっていました。購買戦略室によるルールメイクと、担当部でも抜本的に見直して頂くことの組み合わせで、大きなコスト削減に繋がりました。

国部
それは素晴らしい成果ですね。

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