2015年1月22日
CPPホルダーのソニー 遠田 正泰 様(コーポレート調達センター 調達戦略部 ソーシングインテリジェンス課 アシスタントマネジャー)にお話を伺いました。
コーポレート調達センター 調達戦略部 ソーシングインテリジェンス課 アシスタントマネジャー 遠田 正泰 様
※以降敬称略、所属・役職はインタビュー当時
遠田さんのいらっしゃる部門のお役割についてお聞かせください。
遠田
私は、生産・物流・調達・品質・環境プラットフォームの中の、コーポレート調達センターに所属しています。
コーポレート調達センターでは、エレクトロニクスビジネスにおけるコーポレートレベルでの調達機能が集約されていますが、私はその中で、戦略の立案やガバナンスを遂行する調達戦略部に所属し、ソーシングインテリジェンス課で、市場分析や、新技術、調達関連情報の収集などを主に担当しています。
CPP資格試験を知る前に、どんな課題を感じていましたか?
遠田
私は、もともとは、組込みのソフトウェア設計を担当するエンジニアでした。
1年ぐらい前に調達組織に異動してきましたので、実務経験が少ないということもあり、調達に対する全般的な知識を、早急かつ効率的に習得しなければいけないという課題を感じていました。
どういったきっかけで、CPPを知っていただいたのですか?
遠田
上司からの紹介が、きっかけです。弊社の調達組織では、個人のコンピテンス強化に力を入れています。
10年の長いスパンで、自分のキャリア形成や、コンピテンスをどう高めていくかについて上司と話し合う機会があるのですが、この中でCPPについての紹介がありました。
遠田さんがCPP資格を取得しようと思った決め手は、どんなことだったのでしょうか?
遠田
異動してきたばかりで、知識をつけなければならなかったのですが、その知識がある一定水準以上であるということを、客観的に証明してくれるということが一番の動機です。
効率的に学習できるツール、セミナーでの解説、CPP資格を通して証明できる、その3つが揃っているのが、受けるモチベーションになりました。
証明というのは、タイトルがあるといいますか、その範囲に対して一定のレベルがあるということを証明してくれることだと理解しています。
客観的な基準があるというのは、いいと思いますね。
外から調達部門に異動してきて、実務経験が少ない領域があったとしても、「ここまでの知識はあります」と客観的に言えるということは、大切なことだと思います。
学習や受験にあたって、ハードルに感じたことはありましたか?
遠田
習得が必要な知識が非常に広い範囲にわたっていました。
分野が広すぎて、呆然としてしまいました。(笑)
この非常に広い範囲がハードルだと感じましたが、調達プロフェッショナル知識ガイドは非常に体系的にまとまっており、ハードルを乗り切る助けとなりました。
それを1つ1つ読んでいくことで、自然に体系的な知識が得られたのは良かったと思っています。
一般的に調達という業務は非常に多岐にわたるので、調達のプロパーの方でも全部の領域を経験できる人は希です。
そういった中で、スタディーガイドはそれぞれ領域で説明が丁寧で、実務経験が無い状態でもすんなり入ってくる説明は非常に助かりました。
セミナーを終えてからは、セミナーの解説をきちんと一つ一つ理解していく作業をやりましたね。
非常に広い学習領域に対して、実際どのように取組まれたのですか?
遠田
試験直前の「試験対策セミナー」は非常に助かりました。
重要な項目の中でも濃淡をつけていただいて、「本当に必要なのはこの中のこの部分だ」ということがわかりました。
もちろん、実際の業務上の重要度の濃淡については、本来はやってみないとわからない部分があると思うのです。
しかし、スタディーガイドに解説を加えていただいて、その辺の実務経験を積む前に重要度の濃淡をつけていただけるセミナーでしたので、この部分が大事だというのがすんなりとわかり、非常に助かりました。
CPP資格を取得され、実務ではどのように役立っていますか?
遠田
CPPの学習をする前は、実務経験がない領域に対しての議論にはなかなか踏み込めませんでしたね。
でも、CPPの学習をしたことで、バックグランドといいますかバックボーンとして概要は理解しているので、議論に対してより踏み込んだ話ができるようになりました。
これは、CPP資格を取得したメリットとして実感できる部分だと思います。
1回でも見聞きして、学習した知識があるのと無いのでは、議論に入っていく際の入り方が全然違ってくると思うのです。
議論の深みが増したと思いますね。
CPPで得られるものは、交渉術のようなテクニックというよりは、知識だと思います。
そういう意味ではダイレクトに役に立つツールというよりは、そうした業務のベースになる、俯瞰してものを見るための知識として日常的に役に立っているのだと思います。
今後の課題や目標についてお聞かせください。
遠田
我々のような製造業における調達部門は、従来のパートナー戦略、調達リスクマネジメント、技術/サービス材調達といった領域にとどまらず、水平分業の中でODM戦略などにも気を配っていかなければいけなくなっています。
そのような意味でそれぞれの課題や守備範囲がどんどん広くなっていると感じています。
調達の範囲が広がる中で、ベースとして持ってなきゃいけない知識は、共通だと思いますし、それをきちんと身に付けていくことは大事だと思います。
その学習のツールとしてCPPは非常に優れていると思いますので、その知識をベースに今後新たな領域にもチャレンジしていきたいと思っています。
今まで得られた知識をベースに「勝てる調達戦略の立案」というのが、我々のミッションですので、そこに取組んでいきたいですね。
これからCPP資格試験を受験される方へのメッセージをお聞かせください。
遠田
調達は範囲が広いので、実務で経験できる領域は限られてくると思います。
そういった中で、網羅的に体系的に知識を得られるCPPはお薦めできると思います。
特に、私が感じているのは、新たに調達に異動された方が、最初にチャレンジする資格としては、最適だと思いますね。