アステラス製薬インタビュー7:”プロキュアメント”は海外では 「契約全体のアレンジャー」、一方日本では・・・??
アステラス製薬株式会社 調達部 マニュファクチュアリング&サプライチェーン 課長 原薬担当・ロジスティクス担当 中島 英之様(CPP-A級取得)に資格取得の背景やご活用についてお伺いしました。
(※以降敬称略、所属・役職は2021年12月20日時点)
吉田
先程のオランダ駐在に関する話に関連して、日本と欧米では調達に関する考え方も異なってくると思うのですが、例えば最近のSDGs、ESG等での調達部門の役割や、考え方、他部門からの見られ方に違いがございましたら教えてください。
中島
実際に今も感じていることですが、欧米は価格とかコストを含めた”契約全体のアレンジャー”というか…、”交渉から契約までの全てを取り纏めていく人”として見られています。
先程、SDGsやESGといった話もありましたが、例えばEHS(Environment:環境、Health:健康・衛生、Safety:安全)なども評価しながら、サプライヤー選定と契約までの全てを取り纏めていくような機能と権限を持った人として見られていますね。
一方で、日本では契約の部分に関しては、若干影響力が弱いのかなと感じています。
価格交渉と、それに付随した経済条件くらいにとどまっているというか…、交渉やサプライヤー選定をする際に各部門を取り纏める権限はあるのですが、例えば瑕疵に関することやQCDなど契約条件を広く、全体を見る役割としては見られていないのかなと感じています。
吉田
海外と日本の調達業務における業務範囲の違い、見られ方の違いについて、御社では海外にも外国籍の調達要員がいらっしゃいますが、その方たちと一緒に仕事を進めていく上で心掛けていることなどありましたら教えてください。
中島
会社全体でも掲げていることですが「オープンな対話をする」ことでしょうかね。心理的な安全性…、要は「率直に言い合える関係性」を会社全体で重要視しています。
例えば会議を英語で行う場面で、欧米の方たちが意見を色々言っている中、
「こんなこと聞いてもいいのかな、自分だけわかっていないのかな」と思っても迷わず聞いたり、できるだけ最初は自分が質問したり、発言したりしています。