JX日鉱日石プロキュアメントインタビューその3| 改革にチャレンジするリーダーシップとは?
社内教育プログラムを一から作るのでは何年かかるかわからないし、本当に作れるのかどうかもわかりません。
CPPホルダーのJX日鉱日石プロキュアメント 下田隆行さん(水島営業所長)にお会いしました。日本能率協会の安部武一郎がインタビューします。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
改革にチャレンジするリーダーシップとは?
安部
元々属人的な業務が多かったというお話でしたが、導入に際してもなかなか簡単にはいかなかったのではないかと思うのですが、いかがでしたか?
下田
いきなり全社的に展開するということではなく、まずは私の営業所から資格を取得することにしたこともあり、本社から特に反対はありませんでしたし、資格取得に係る費用も全額負担してもらいました。
本社の方でも、
「機能的な組織にするためにも、社員のスキルアップを効率的に行える教育プログラムの構築が早急に必要だが、プログラムを一から作るのでは何年かかるかわからないし、本当に作れるのかどうかもわからない。」
と考えていたのかもしれません。
安部
それは、下田さんのリーダーシップによるところが大きいですね。
下田
リーダーシップというか、私はやると決めたらどうしてもやりたいほうなので、相談というよりは、「やりますから。」という言い方だったかもしれませんね 笑。
でも「必ずやった分だけの何かを得てきます。」という話もしましたし、それまでの私の振る舞いをみていただいたということかもしれませんし、
自然に「もしCPPが良い物であればすぐ全社的に広めよう。」という雰囲気にもなりまし、いずれにしても先ほども言いましたように共通の課題として認識できていたからだと思います。
話を元に戻しますと、2013年度に水島営業所で5人がCPP・B級資格を受験し、私も含めて4人が合格することができました。(2014年度はB級2名、A級1名合格。)
スタディーガイドも体系的にまとまっていて、見やすく、頭の中がうまく整理されました。
購買に関する良いキーワードがたくさん掲載されており、内容の方も教材として充分な範囲が網羅されていますし、業界毎あるいは各社各様の購買に関する考え方にも配慮した汎用性や、世の中の動向も反映しなければならないなど、
スタディーガイドをまとめるには相当な苦労されたと思うのですが、我々にも十分実務に展開できるヒントがちりばめられていましたので、スタディーガイドを入手した時に、これは間違いないなと感じたことを覚えています。
一緒に受験した部下も同様に感じたと思うので、資格を取得しようと決めてから合格するまで、特別に説得するなどの必要性はありませんでしたね。
安部
スタディーガイドをお褒めいただいて嬉しいです。
下田
JXグループでは、事業を継続するためや個人のスキルアップのために資格の取得を推奨していますが、「購買部門では何かないのか?」という問いに対して、「CPPに替わる適当な資格が他に見当たらない」ということも正直なところあります。
今年(2014年)は本社でも数名が取得したこともあり、来年度からは「全社的にもっと取得を推進していこう」という話もでているところですが、CPP試験は簡単ではありませんので、
CPP資格の保持者が今後も増えていくかどうかはわかりませんが、定着していけば良いなと思っています。
それから、海外の事務所に派遣された経験の少ない購買担当者の教材として、スタディーガイドを提供したこともあります。
安部
最初に受験された数名の方々は、どのような反応だったのでしょうか?
下田
私は彼らに対して、「とにかく、やろう。」と言って推進しようとしましたが、そうはいっても、私に言われただけでは、面倒に思うだけだったかも知れません。
しかし、おそらくスタディーガイドを見て、読んで、みんなで勉強していくうちに、「この部分はうちの会社に足りないな」といった気づきを得て、納得していったのだろうと思います。
忙しい社会人生活の中、勉強するのは大変ですが、我々にはこういうことが必要なのだと認識してもらうことが重要だと思います。
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