三菱UFJ銀行 インタビュー4:金融業にも通じる購買・調達の考え方。整理、気づき、自信に繋がった学習機会

株式会社三菱UFJ銀行 経営企画部 購買戦略室 購買・調達グループ 次長
齊藤 隆 様に、「CPP資格取得」の背景やご活用についてお伺いしました。

(※以降敬称略、所属・役職は2023年12月20日時点)

谷澤
CPPを知ったきっかけや背景を教えてください。

齊藤
同じ室内の別のマネジメントが、自己啓発などの資格を調べている時に見つけたようで、情報連携してくれました。率直に面白そうだと思いました。

谷澤
何か受験の決め手はあったのですか?

齊藤
社内で、今年の5月に「変革・挑戦支援金」が支給され、これが大きなきっかけであり決め手でした。

谷澤
「変革・挑戦支援金」について詳しく教えていただけますか?

齊藤
当行では、自己啓発やリスキル等を含む、より一層の変革や挑戦への取り組みの後押しを目的に、1人当たり最大10万円の「変革・挑戦支援金」が支給されました。

谷澤
変革や挑戦への後押しの一環なのですね。

齊藤
はい。私の場合は、テキスト購入、受験料がちょうど支給額に見合うものでした。また、支給の目的に照らしても、適切な使い道であると考えて、受験を決めました。広い意味では、今回の受験は会社のサポートによるものと受け止めています。

谷澤
受験される前は、組織または個人としてどのような課題を感じていましたか?

齊藤
組織も新設ですし、この領域に専門的に従事してきた同僚もいません。私は、従前の部署で予算管理には携わっていたためある程度の勘所はありました。一方、その程度の知識に頼って方針等を判断してしまってよいのか、組織の方向付けを誤ってしまわないか不安がありました。

谷澤
実際にCPPに取り組んでみて、率直なご感想はありますか?
齊藤
非常に体系的に整理されていて、学びがいがありました。この資格は、直接材の購買調達が中心となる製造業の方を想定しているとの理解です。しかし金融業の場合は、直接材が少なく、むしろ間接材が購買調達活動の中心であり、大きな違いがあります。テキストにおいても、間接材に関しては第9章の一部に記載があるのみです。

谷澤
そうですね。

齊藤
一方で、通して学習してみると直接材・間接材いずれも発想自体は通底していると良く分かりました。テキストでも紙面の多くを割いているサプライヤーとの向き合い方、原価分析等は、間接材でも同様に肝となる分野であり、業務とリンクする箇所が多く、納得感を持ちながら勉強できました。

谷澤
それは嬉しいお言葉です。

齊藤
我々が扱うのは主に間接材です。恐らくメーカーの購買部署は、もっと厳しい戦いをされているのだろうと想像していました。自分たちの取り組みのレベル感や発想が、これでよいのか。この程度でよいのか。漠然とした不安があり、きちんとした理論を学びたいと思っていました。

谷澤
その思いが原動力となったのですね。

齊藤
これまで実務を通じた経験値の積み重ねの中で、あるべき姿をイメージしてきましたが、それらの理論の裏付けを持って再整理でき、新しい気づきもありました。自分たちがやってきたことが決して間違いではなかったという自信にもなり、大変貴重な学習機会でした。

谷澤
ありがとうございます。CPP導入・受験までに、何か障壁はありましたか?
 
齊藤
受験に向けての障壁はありませんでした。比較的自由に試験日程/時間帯も選べる点も助かりました。課題だったのは勉強時間の確保くらいでしょうか。

谷澤
勉強時間はどのように確保されたのですか?

齊藤
通勤時間や、土日、子供の宿題の面倒を見る際に一緒に勉強をしました。生活の一部に学習時間を組み込む工夫はしました。

谷澤
学習の中で、業務で活かしていきたい内容はありましたか?

齊藤
第4章に、「(サプライヤーとの)取引は信頼関係に基づくパートナーシップと基本とするべきである」また「目標の実現に向けてお互いの持てるノウハウや情報、知恵を結集し、それらを組み合わせることで新しい価値を「協創」することが重要である。双方で世界一の競争力を獲得するという意識で取組むことが必要である。」という表現がありました。
私は漠然と、そのようにあれたらよいなと考えてきました。体系的に整理されたテキストの中においても、このように位置付けられており、とても心強く感じました。より確信を持って、この実現を目指したいと考えられるようになりました。

谷澤
学習された内容は、組織内に展開されたのですか?

齊藤
そうしたいところですが、それなりにボリュームのある内容でしたので、まずは資格制度の紹介と、やってみて良かったというフィードバックを行ったところです。

谷澤
ご自身では、どのように活かされましたか?

齊藤
まだ試せていないスキームがあるのではないか等、頭の中での材料にしました。計画立案のタイミング等で、どういった発想が取り得るかの参考になると思い、テキストは合格後も手元において業務していますよ。

谷澤
CPPは、特にどのような方に受講してもらうと良いでしょうか。

齊藤
初めてこの調達業務に携わる方から、中堅層の方に受講してもらえると良いのではないでしょうか。
少し難しいのは、テキストの内容が唯一の正解では無い点でしょうか。それぞれの会社には置かれた現状に合わせたルールやスタンダードがあります。テキストの内容と違ったとて、それが単純に誤りであるわけでもありません。ここは留意する必要があるでしょう。まずは資格取得を通じて様々な知見を得て、現状とのギャップが認識できれば、そこに新たなチャレンジの芽を見つけられるかも知れません。そうした気づきが得られれば、非常に良いことだと思います。

国部
「正解」というよりも「標準」と捉えていただけると良いかと思います。

齊藤
そうですね。初めてこの領域に携わる方が、これが唯一の正解だと信じ込んでしまうと、現実の仕事のほうがうまく進まなくなるかも知れません。四角四面なことを関係者やサプライヤー側に要請してしまい、話がこじれてしまうこともあるかも知れませんね。その意味でも、少し経験を積んだ中堅層の方が受講すると、より良い理解、気づきが得られるのではないでしょうか。

谷澤
実は、金融業界の方にCPPをどのように活かしていただけるのか、とても興味がありました。

齊藤
多くの金融機関は、メーカー等と比べると、購買活動、調達活動に専門的に従事してきた人材を潤沢に抱えているわけではないのではないでしょうか。購買調達業務におけるロールモデルが明確にあるわけでもなく、ヒトから教えてもらうにも限界があります。また、体系的にスキームが整理された書籍も少ないと感じていました。そのような中で、こちらのテキストは非常に良くまとめてあり、学習のしがいがありました。

谷澤
嬉しいお言葉です。ありがとうございます。

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