キリンインタビューその3| 調達キャリアとはなにか?
解決のポイントは、まず部長を含むリーダー層が勉強して、「とても良さそうなことが書いてある」という考えを上層部と共有し浸透させたことだと思います。
CPPホルダーのキリン 間美弥子さん(調達部 企画担当 主査)を訪問しました。日本能率協会の安部武一郎がインタビューします。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
調達キャリアとはなにか?
(安部)
調達に関する教材が世の中に少なかったということもあり、学習も大変だったと思いますが、いかがでしたか?
(間)
一番のハードルは、意識改革だと思います。
「自分たちの調達のやり方が正しい」「やり方を変える意味があるのか」「我々は、食品業界であって、テキストの世界とは違う」と思う方も、最初は多かったのです。
それから「年齢的にこの年で受験なんて勘弁してほしい」という方も残念ながらいました。
(安部)
どのように解決していかれたのでしょうか?
(間)
解決のポイントは、まず部長を含むリーダー層が勉強して、
「とても良さそうなことが書いてある」という考えを上層部と共有し浸透させたことだと思います。
メンバーにはそのあと徐々にリーダーを経由し普及する形をとりました。
“部長が率先してメンバーと一緒に受験して合格したこと”、このことが組織を変えていくのに重要な契機になりました。若い人達にやりなさいと命令するだけでは、絶対についてこなかったと思います。
“リーダーや上層部がまず最初にチャレンジし、いいと判断したうえで展開している”
この事実が、メンバーの心に刺さったのではないでしょうか。
(安部)
社内的な調達部門の地位や位置づけについて、ご苦労されているお会社が多いかと思いますが、いかがお考えでしょうか?
(間)
調達部門は戦略立案・交渉以外にも様々な専門知識を習得して業務に当たる必要があります。それだけでも、調達では“人を育てることができる”と感じており、そのことが、少しずつ社内にも伝わっていると感じています。
実際CPP合格者も増えており、「調達に異動してもらったからにはピカピカの人材にしてお返ししますよ」と人事部門に対して言える重要なアピールポイントにもなっています。
お孫さんのいるような方が、小学生ぐらいの子供たち一緒に勉強を頑張られたという合格体験記を読むと涙がでてくる時があります。いくつになっても人として学び続けるという姿勢が感じられ、本当に素晴らしいなと思います。
人材育成を担当しているものとしては、「調達部で大きく成長した」と言ってもらうのが、一番嬉しいことです。
それからチーム力も大事ですね。みんなでワイワイしながら学習することは楽しいことです。。
この年代になってあらためて真剣に勉強する方はそう多くないと思いますので、その意味でも新鮮な体験につながるのではないでしょうか。
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