東京電力・谷口氏 松本氏 五十嵐氏 インタビューその5|資格取得を進めるための工夫とは?

東京電力ホールディングス株式会社
谷口 正洋さん(経営企画ユニット グループ事業管理室 調達管理グループ 能力開発担当課長)
松本 理奈さん(廃炉資材調達センター 廃炉調達企画グループ 副主任)

東京電力パワーグリッド株式会社
五十嵐 正和さん(資材調達センター 調達改革第二グループ 課長)

にお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)

資格取得を進めるための工夫とは?

森宮
それぞれの得意なやり方で工夫して知識を身につけていったのだと思いますが、今回谷口さんから話を聞いた際、私ども事務局でも驚きがあったさまざまな工夫ぶりです。
これらはどういう過程で生まれ、現在に至ったのでしょうか。

まずはご紹介いただけますか。

谷口
「スキルアップしていくときに目印があるといい」という話が出て、業務時に常に携帯する社員証のストラップの色をスキルによって変えることにしました。
これは若手社員から出たアイデアです。

色分けは3段階くらいがいいということで、いつもは青ですが、CPPに合格したら緑にして、さらにレベルアップすると黒になります。
黒は講師ができるレベルです。
色分けすることにより、やる気を引き出す狙いがあります。

初期のころの話ですが、実際にマネージャー、センター長が受験したあと、「受かったのに緑のストラップがまだ来ない」といって催促していたことがありました。
役員から、君は青ストラップなのか?と尋ねられたそうです。
これで色分けすることの効果が再確認できました。

覚えやすくするために語呂合わせも活用しました。ペンネームは、ゴロゴ13です。

調達部門には5大権限というのがあり、サプライヤーを決定する権限、単価を決める権限、規律部門が何をやっているかを知る権限、取引を始める権限、停止する権限です。
これは非常に大事な部分ですが、私のように50歳を過ぎて受験した人間にはなかなか覚えるのが難しいものです。

それで語呂合わせを作ろうと考え、5大権限を「サタンが知る開始と停止」として覚えるようにしました。

「サ」はサプライヤー、「タン」は単価です。
覚えやすくなったと思いますが、これを作り過ぎると、そもそも「サ」が何だったのか、「タン」が何を意味するのか、分からなくなってしまいます。
だから、やり過ぎは良くないかもしれませんが、ポイントを覚えるのには非常に便利です。

それから、調達改革を進めていくと、企画機能、組織、マネジメント、プロセス、情報システム、スキルのどれかのせいで、うまくいかないことが出てきます。

キソマプジス、として、暗記しています。
普段の業務中でも、「キソマプジスのどこに欠陥があるから、うまくいかないのか?」と注意を払い、せっかく学んだ知識を忘れないようにしています。
私自身にとっては便利なやり方です。

他の工夫としては、CPPは理論なので、弊社の実務との連結のためにCPPの勉強会とは別にテキストを3冊つくって、2回の補講をしています。
具体的に、これとこれが、できることが、弊社としての当面のゴールであると、知らせています。
そのほうが、CPPを勉強したあとの知識の活用方法が具体的にわかると思いました。

五十嵐
先ほどの部長を説得しようという話につながるのですが、谷口も申し上げました通り、上層部が率先垂範でやるのが最もいいということで、まずは部長や特別管理職級に受験してもらうことにしました。

でも、いきなりテキストを配り、「はい、よろしく」というわけにはいきません。
私どもが持つ経験を少しでも合格に生かせるよう勉強会を開くことにしたのです。
勉強会はセミナー問題を分割して、学ぶことにし、全4回開催することにしました。

私が初回と3回目を担当したのですが、率先垂範ですから、参加者は自分より偉い人ばかりです(笑)。
だから、講師を務めるのはちょっとおこがましかったのですが、社内の研修で講師役やファシリテーターを務めた経験がありましたので、そこは腹をくくってやることにしました。
たとえ立場が偉くても同じことを学ぶ戦友みたいな存在と考え、講師役を務めました。

勉強会の各回の最後に一体感を高めようと、「絶対に合格するぞ!おー!」とみんなで声を出すことにしました。

勉強は孤立した状態ではなかなか進みません。
みんなが同じ気持ちになって頑張れば、効果が上がると考えたのです。
それに勉強会の最後にこれをやると締まりますからね。

森宮
「声が小さい」とかいうのですか。

五十嵐
それはさすがに立場が上の人にはいえませんよ(笑)。
ただ、当時の女性の部長もいっしょに「おー!」と声を上げてくれました。
うれしかったです。
その方がやっているのに、他の人がやらないわけにはいきませんから。

そういう良い雰囲気に勉強会を持っていくことができたのです。
最初はドキドキ、心臓バクバクでスタートしましたが、腹をくくってスタートしたら、うまくいくことができました。

講師をしていると、受講者の態度の変化がよく分かります。

最初は「おー!」に参加していなかったのに、回を重ねれば参加するようになった人がいました。
表情や反応も変化していったのです。
勉強会をやって本当に良かったと思いました。

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