水ing インタビュー

水インフラの調達業務は、必ずしも安価であれば良いということではありません。

水ingの 江川真一郎さん(調達統括 上下水調達室 室長・技術士(上下水道部門))、土肥郁恵さん(調達統括 上下水調達室 上下水調達第二グループ 副参事)にお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)

水インフラの調達業務の役割とは?

  水ing 土肥郁恵さん・江川真一郎さん

ーーお二人の現在のお立場とお役割についてお聞かせください。

江川
我々が所属している調達統括は、主に国内案件に関わる調達が対象になります。
その他に調達部門としては、海外案件を行う海外事業部の調達部門と、水処理機能薬品を取扱う薬品調達部門があります。

私は国内案件の内、主に上水道事業、下水道事業における調達業務のとりまとめをしています。

土肥
私はその中で、主に下水道事業における調達業務を行っています。
内容は、下水処理場に使用する機械や装置・製作品、メンテナンス業務、オペレーション業務に関わる調達業務になります。

ーーインフラに多く携わると思うのですが、課題はどのような内容になるのでしょうか?

土肥
水インフラは生命に直結するものなので、安全・安心な製品の提供と災害時でも止まることが無いよう、迅速な対応をすることが大切な課題だと思っています。

江川
お客様が公共団体関係であることが多いこともあり、法令遵守は大きな課題です。また書類や検査のチェックはかなり厳しく、必ずしも安価であれば良いということではありません。

そのため、お客様への提出書類作成や検査に対応できるサプライヤーさんとの協働が必要となる場合もあり、その面では少し特殊だと思います。
もちろん民間の仕事もありますが、主たる事業は公共事業になります。

我々調達部門には、スキルのモノサシが必要でした。

調達スキルの物差しとは?

ーー調達部門として江川様が感じていた課題はどんなものだったのでしょうか?

江川
スキルのモノサシが必要だということでした。

例えば、Aさんはどのレベルにいるのか、Bさんはどのレベルにいるのか、ということは数値化とまではいかなくとも、ある程度の基準が必要です。

当時は、10年経験したからAクラス、5年経験したからBクラスという、曖昧な線引きぐらいしかありませんでした。

調達部門のメンバーも、それぞれ分野が違いますし、各人のレベルはどのくらいで、部門内にはどのくらいの優秀な人間がいるのか、育成すべき若手や経験の浅い人は、どの領域をレベルアップすればいいのか?という点について、漠然としていました。

一方、設計や工事部門などであれば、ある程度スキルレベルは明確です。また、公的資格の取得もひとつの判断材料となります。

私自身、調達部門に来て12年程ですが、社内では調達業務をこなせるようになっていると思います。ただし、何を持ってして一人前の調達マンなのか、どこまでの知識を持っていれば一人前なのか、非常に判りにくかったのです。

全体としての体系立てた調達スキルというのは、誰がどのように教えたらいいのか解らなかったのです。

個人のスキルアップ、人材教育をどうするか?

ーーCPP資格に取組まれる前に、感じていた課題をお聞かせください。

土肥
良い製品をより安く期日通りに購入、製作することで、会社に貢献することを課題としており、それは今も同じです。

特に納期管理は注意していますが、調達で納期がコントロールできる部分とできない部分があり、その点は特に気を付けながら対応しています。

ーーCPPを知ったきっかけはどんなことでしたか?

土肥
CPP資格制度ができた2007年頃、調達部門に案内が届きました。
これまで調達業務に関する資格制度はなかったと思いますが、興味は持っていましたので、案内を見て調達業務に関する資格制度が出来たのだということを、まず理解しました。

ーー受験されるまでには時間があったようですが、どのような理由があったのでしょうか?

土肥
スタディーガイドは現在の業務範囲外を含めボリュームが多く、受験するまでには至らなかったからです。

江川
社内には調達のマニュアルのような物はあまり無い状態でした。
ですので、1セット試しに購入したのが始まりです。
ただボリュームも多いですし、最初は「興味がある人は自由に見て下さい」という形にしました。特に強制的な動きではなかったのです。

ーーその後、何か変化があったのでしょうか?

江川
個人のスキルアップ、教育をどうするかというのは、毎年のように会社から命題として与えられています。調達としてのスキルアップは、OJTがメインでしたが、なかなか体系立てた教育は行えない状態でした。もちろん、リスク管理や交渉スキル等に関しての勉強会などは行っていました。また下請法や独禁法、建設業法など、個々のテーマに対しての教育は、社内外講習会をメインに対応していました。

しかし、それらを含め全体としての体系立てた調達スキルというのは、誰がどのように教えたらいいのか解らなかったのです。

そういう意味では、ちょうどタイミングが合ったのだと思います。

「忙しい中やってみたらどうかな?」という思いもあり、まずは土肥にチャレンジしてもらいました。

スタディーガイドは調達業務に関して体系的に非常に良く整理されていましたので、学習することで調達業務に関するスキルを早く身に付けられると思います。

忙しい中での受験勉強の工夫とは?

ーーCPPの存在を知ってから実際に取組むまでに何か障害となるようなことはありましたか?

土肥
特に、大きな障害になるものはなかったと思います。

ただ、スタディーガイドはボリュームがありますし、範囲が広いので、学習時間を確保するのが結構大変でした。

ーーどのように工夫されたのでしょうか?

土肥
とにかく時間を作るしかないので、寝る間も惜しみました。
業務中に勉強することは出来ませんので、家でなんとか時間を確保しました。
出来れば通勤時間をもう少し活用したかったのですが、スタディーガイドは大きく厚かったのでそういった面では苦労しました。

ノートにまとめたくても時間がないので、いかにスタディーガイドを読む時間を作るのかが課題でした。

ーーホームページの用語集を、ダウンロードしてまとめてくださったりしたということで、いろいろ工夫されたとお聞きました。

土肥
ホームページの用語集はダウンロードして、小さく携帯できるようにし、通勤電車の中で覚えるようにしました。
あとは、とにかくスタディーガイドを読むことでカバーし、わからない部分は何度も何度も読んで、理解を深めました。

要求される知識の中には、弊社の場合、サプライヤーさんにお願いしている部分もありますので、そういう部分は想像しながら学習しました。

ーーCPPに取組んでみようと思った決め手やモチベーションはどのあたりにあったのでしょう?

土肥
一番大きかったのは上司からの勧めです。

先ほど申し上げましたように資格制度に興味はありましたので、勧めていただいたことに感謝しながら勉強させていただきました。

ーー実際に取組まれていかがでしたか?

土肥
スタディーガイドは体系的になっていて調達業務とはこういうことであるとか、幅広く網羅されていたので非常に勉強になりました。

部内でも毎年調達施策をたて、それを実践しています。そのことが実際に正しかったことを改めて理解したこともあり、自分としてもすごく自信に繫がりました。

ーー最後に、これから受験される方へ応援メッセージをお願いします。

土肥
スタディーガイドは調達業務に関して体系的に非常に良く整理されていましたので、学習することで調達業務に関するスキルを早く身に付けられると思います。

ぜひ、スタディーガイドのボリュームに負けず頑張ってください!

ーー
本日はありがとうございました。

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