新明和工業 インタビュー
昇格試験が3年目から5年目の方を対象にあるのですが、CPPテキストを課題図書として利用させていただきその問題を作ったりしております。
CPPホルダーの新明和工業 上島 健嗣さん(資材調達部担当課長)にお話を伺いました。日本能率協会の成冨一仁がインタビューします。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
機械メーカーとして調達部門の役割とは?
成富
新明和工業様 資材調達部担当課長 上島様にインタビューさせていただきます。
まず現在のお立場とお役職の内容について教えてください。
上島
私の所属は資材調達部といいます。
本社に所属していまして調達企画が主体の部署になります。
取引先の集約とか集中契約といったものの推進支援それと調達における市場情報の収集共有化によるグループ全体のコストダウンへの貢献、あとはCSR調達への方針立案から定着までの先行型調達への改革にむけた人材育成と仕組み作りに取組んでいる部門です。
その中で私が担当している部分が全社で利用する調達に関するシステムの開発です。
あと関連法規の最新情報の収集・分析して資材規則などの全体的なガイドラインの反映の作業をやっております。
それと教育資料の整理、過去からいろいろ作ってはいるのですが、なかなかメンテナンスができていない状況なのでそれをテーマ別に纏め直しをしております。
現在の法律や環境にあわせて改定した資料を使用して集合教育やセミナーの開催とJMA でやられているCPPを受験してもらったり講習を受けてもらったりそういった支援をしています。
その一環ではあるのですが昇格試験が3年目から5年目の方を対象にあるのですが、CPPテキストを課題図書として利用させていただきその問題を作ったりしております。
それと業務監査、各事業部やグループ会社さんへの業務監査をしてその是正・フォローアップや監督官庁への問合せの窓口支援をしたりしています。
今は間接材(MRO)と呼ばれているものの集中購買の仕掛け作りもしております。
成富
かなり多岐にわたっている印象があるのですが、今の部署に入られてからはどのくらいですか?
上島
3年から4年ぐらいです。
成富
その前はどのようなお仕事をされていたのでしょうか?
上島
事業部の方で調達の実務をしていました。
成富
その経験も生かして今の部署に移られたのですね。
上島
そうです。
以前はグループ企業で教育制度が共有できたのですが、グループ解消からが大変でした。
日立グループを離れたことで生じた課題とは?
成富
CPPを活用される前に抱いていた課題とか悩みとかはどういったところにあったのでしょうか?
上島
当社の場合、以前は、日立グループに所属していました。
その当時は日立製作所の教育制度が利用できたのです。
当社の調達業務というのも日立製作所のシナリオにあわせた業務展開をしていたものですから教育制度が共有できたのです。
それにほぼ頼りきっていたということもありまして、グループ解消からが大変でした。
サービスが受けられなくなって、途端に大きな課題に向き合うことになりました。
それで、各事業部の部門長が作りあげたものをどうやって体系化しようかと悩んでいる時に、たまたま貴社の「CPP資格制度」に巡り合って、どんなものか受講することにしました。
スタディガイドも購入しました。浅く広く調達業務に関する内容が体系立てて構成されていたので、これは利用価値が高いと思いました。
それで実際に試験も受けてみることにしたわけです。
受けてみると結構難しいということがわかりまして、必須資格条件にはできないけれども教育の柱に位置付けてはということで、その当時調達統轄本部という横串組織体制をとっていたので、その企画グループとして、取組みました。
会社としては調達資格というものはあまり認識がなかったものですから、そこから人事・教育部門との調整がはじまりました。
CPP資格を最初に知ったきっかけとは?
成富
その一番初めのいわゆるCPPという存在を知るきっかけというのは何だったのでしょうか?
上島
インターネットで「資材業務の資格」で検索をしたらヒットしました。
それでどんなものか調べて、「やる価値があるか」ということになりました。
成富
CPPを知ってみんなで受験してやろうと間で躊躇するといいますか障壁のようなものはありましたか?
上島
それはなかったです。ちょうどいいタイミングだったと思いました。
3ヶ月ぐらい先に試験もありましたので、テキストで一通り勉強してみて、直前セミナーも受けて、わかりやすいと思いました。参加したメンバーでやってみようと意見が一致してスムーズにいきました。
ただ調達部門としてはそうでしたが、会社としては調達資格というものはあまり認識がなかったものですから、そこから人事・教育部門との調整がはじまりました。
成富
それはもしかしたら障壁みたいなものになるのかもしれませんね。
上島
その当時は、課題図書の「資材管理」という参考書があったのですけれど、それで資格奨励金が出るわけでもなく、勉強するという雰囲気でもなかったです。
それでスタディガイドの4冊のテキストも順番にやっていく上で、実務の中で、自分たちがどんな土壌にたつか(立ち位置にいるのか)ということを理解する上ではちょうど良かったと思います。
それを人事・教育部門に、「スタディガイド」を課題図書とすることを認めてもらいました。
それをベースに昇格試験の問題を作るようになりました。
その中で、やはり調達資格としてCPP・B級資格やA級資格があるので、CPP資格を取れば、資格奨励金も貰え、それを表彰対象にしてもらうという仕掛けづくりにもなりました。
あとは調達資格のCPP B級資格を取ったら「中級昇格試験の専門知識を免除する」というのが次のステップとしてあります。
学んだ「言葉」は日常的に部門内では使われるようになり、共通のコミュニケーションが取れるようになったと思います。
CPPを学んで変化したこととは?
成富
他の企業の方にCPPをお薦めする際の決め手、ポイントはどこだと思いますか?
上島
「スタディガイド」4冊のうち、テキスト3冊読むことで相乗効果になると思います。
そこから自分が深めたいところを狙いうちで、次のステップとして勉強できるという意味でとても効率がいいと思います。
それとCPP B級資格に合格する目標をもつことで、みんなのモチベーションがあがると思います。
そこで学んだ「言葉」は日常的に部門内では使われるようになり、共通のコミュニケーションが取れるようになったと思います。
成富
実際に使われてみての感想は、相乗効果が生まれたとか共通言語ができたということがありますか?
上島
そうです。なぜ必要かと言うことが互いに理解しあえるようになりました。
そして自分の優先順位は「今ここだ」とか「私はここだ」と、認識し、周囲と比較することで、公正に認識できるとてもいいツールだと思います。
CPPは自主学習できる、「とっつきやすさ」が大きかったと思います。
関西で直前セミナーが開催されたことの感想は?
成富
以前の日立グループさんの時と今を比べてCPPという存在を使ってみて他にどんな影響があったと思いますか?
上島
日立グループの時は、セミナーは必ず2泊3日とかで、泊り掛けで行ったものです。
でもCPPは自主学習できる、「とっつきやすさ」がひとつは大きかったと思います。
CPP B級の試験対策直前セミナーというのも3冊のテキスト(スタディガイド)の理解度を深める上で非常に効率がよいと思います。
それと今までは東京でしかなかったのですが関西もやっていただけるようになったので、移動が少なく助かっております。
成富
A級試験対策セミナーも来年度は関西でやりますのでぜひ活用していただければと思います。
上島
うちの事業所は栃木県、神奈川県、兵庫県で広島県とあるので、東京、大阪はいいですが、他の地域は、2日間の試験対策直前セミナーでも日帰りでいけるような場所でやっていただけたら、かなりみんなが参加しやすくなると思います。
関西では実際に、参加しやすいので、参加したひとたちもやる気をもって試験に望めると思います。
例えですが、自動車の運転免許をとるのと一緒だと思うのです。
試験場の前で売っている「赤本」を買って、読んで「模擬試験」やってから、自動車運転試験所に行って受験するのと同じだと思うのです。
そういう雰囲気で、「これ済んだら、次はこれだ」と、もう先が見えているからそういったところで、「自分が、賞状もらって帰ってくる」というのがイメージできるのが非常にいいのかなと思います。
ただ、「地域限定」はわかるのですが、もう少し地方開催が広がるといいなと思います。
要望としては日帰りで受けられるのがいいなと思います。
今回、大阪でやってもらえて、それが一番嬉しかったです。
成富
他に開催数を増やしましたのでご利用しやすくなったと思います。
上島
講師の先生も変られましたよね?
成富
藤田講師にかわりましたね。
上島
僕は前の先生の神谷先生の時に受けさせてもらって、面白かったです。
新しい人達は、「そういう意味か」と、字面での理解だけじゃない理解があって、記憶に残るので、非常にいいなと思います。
どうしてもテキストの字面だけでやると残らないですよね、それより耳、聴覚より入ることで両方から記憶に残ると思うのです。
それと興味ある話題に乗せて、話して頂いたので非常に頭に残りやすかったです。
新しい藤田先生も、そのような感じと聞いています。「いいな」と思っています。
ひとつひとつの積み重ねが自分の引き出しをいっぱい増やすことになると思います。
CPPを受けることのメリットとは何か?
成富
最後にこれから受験される方への応援メッセージをお願いします。
上島
自分の時間の都合にあわせてやっていけるので、即効性のある部分も確かにありますが、ひとつひとつの積み重ねが自分の引き出しをいっぱい増やすことになると思います。
引き出しが増えることで今使わなくても、何かあったときに、引き出しをパッと開けて「このことだったらこの本、この人」と情報を集めやすく、対策もとりやすくなると思います。
このことが、自分の仕事の幅を広げていってくれると思いますので、少しでもいいから時間の合間にやっていけると思いますので、皆さんも頑張って取り組んでみてください。
成富
ありがとうございます。