サッポログループマネジメント インタビュー
サッポログループの複数の事業会社の購買調達業務の一部を、機能会社の立場で一元化して担当しています。
CPPホルダーのサッポログループマネジメント 原憲一さん(グループ調達部 グループリーダー)にお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
グループマネジメント会社にとっての購買調達とは?
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はじめに、現在のお立場・お役割についてお聞かせいただけますでしょうか。
原
サッポログループの複数の事業会社の購買調達業務の一部を、機能会社の立場で
一元化して担当しています。
中でも、特に酒類、食品・飲料部門の直接材をメインに担当しておりますが、一部、間接材についても一元化の範囲を拡大させる取り組みを進めています
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酒類の直接材といいますとどのような物を購入されているのですか?
原
原料、あとは包材です。大きくはこの2点になります。
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直接材としては原料と包材ということですが間接材としてはどのような物になるのでしょう?
原
間接材は、今、範囲を拡大して機能を集約しようとしています。
事業所毎に買っている物を集約することで、まんべんなく取組もうとしています。
物品では主には工場や研究所系の副資材や備品類、サービスですと役務やカーリース、印刷物等になりますね。
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社内でも購買セクション自体の地位が少し低い面がありました。
CPPホルダーのサッポログループマネジメント 原憲一さん(グループ調達部 グループリーダー)にお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
ビール・飲料会社にとっての購買部門の地位とは?
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このCPP資格に取組まれる前に調達部門の担当者としてどのような課題を感じてらっしゃいましたか?
原
私は、ビール会社の購買を経験して、それからビバレッジの部門に異動しました。
やはりビール会社が主力の事業でして、どうしてもビバレッジ系事業は重きをおかれていない面もありました。
グループの中でもスケール感の違いがあるため一緒の取組みがやりづらいことが課題でした。
もう一つは、社内でも購買セクション自体の地位が少し低い面がありました。購買セクションは「伝票処理と納期調整をやっていればいい」といったような、、、。
頭と知恵を使って利益を創出する部門であるにもかかわらず、少しポジション的には低い日陰のセクションであったので、そこをなんとか払拭したいという思いがありました。
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ビール事業においても購買部門はあまり地位が高くなかったのでしょうか?
原
そう思いますね。
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本来であれば利益の創出に貢献できる、と当時から思ってらっしゃったのですね。
原
はい。
部門のトップは他部門から異動してきて3年程で異動になっていました。、メンバーも同様で短キャリアで属人的に業務を回していました。キャリアパスもできていなくて、悔しい思いをしていました。
自社内だけで活動していましたので、「果たしてこれでいいのか?」という思いをずっと持っていました。
CPP資格を知ったきっかけとは何か?
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なんとか社内的な地位を上げて事業に、企業に、組織に貢献したいと思われていた際に、このCPP資格を知るきっかけがあったと言うことなのでしょうか?
原
自ら問題意識を持ってバイヤー業務に取組んでいれば、自然と備わってくるスキルがあると思うのですが、世間一般と比較してどれほどのレベルにあるのかがわからないと感じていました。
自分のスキルに自信を持ちたかった、そして検証したかったということと、そう言えばバイヤーそのものの資格って無いなあ、と思ったのです。
何か目に見える形での資格はないのかと思って検索したところ、CPP資格制度の存在を知ったのです。
最初は、まだまだ認知度も高くなく躊躇する部分もあったのですが、あるとき、同業の食品会社の調達部門長の方とお会いする機会があってご挨拶したところ、名刺に「CPP」と書いてあったのです。
それを見て、「そうか、既に巷で認知されつつある資格なのだな」と感じたのです。
その後2~3人そのような方と名刺交換する機会がありまして、世間で認められてきているのだと思い挑戦してみようと思ったのがきっかけです。
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同業者との交流は頻繁にやられているのですか?
原
少ないと思います。
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少ない中で同業の方々が名刺に記載されていたので、確信をもっていただいたということですね?
原
そうです。何かの会合等で一緒になった際に、名刺交換だけはしていたので。
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ご自身で受験することを決められ、会社にお話しされたのですか?
原
していないです。
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自費で受けられたのですね。
原
自分の実力を検証したかったのと、「何が正しいか」ということに自信が持てなかったということですね。
自社内だけで活動していましたので、「果たしてこれでいいのか?」という思いをずっと持っていました。
CPPを学習して「あ、自分は間違ってなかったんだ」と思えましたね。
私は正直、勉強は何もしなかったのです。
勉強しないでCPP受験したわけとは?
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まず資格を知って、迷いつつ受験を決心されて、学習して試験を受けてという行動を起こされた一番の決めては何だったのでしょう?
原
私は正直、勉強は何もしなかったのです。
そこそこ自信を持っていたので、自分の実力をはかってみようということでテキストも買わずに勉強もせずに一回受けました 笑。
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最初はテキストも買わずにいきなり試験だけ申し込まれたのですか?!
原
はい。一回受験してみようということで受けてみました。
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それで、結果はどうでしたか?
原
1回目はギリギリでダメでした。不合格でした。
試験内容自体は専門用語を知っていれば回答できたと思います。
例えば、ミルクランだとかベンダーマネジメントインベントリーだとか、内容はもちろん知っているし、やり方も知っているけれど、専門用語を知っていないと回答できないものがありました。
それから、テキストを買って一通り読んでもう一度トライしました。
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その時はどのように勉強されましたか?
原
3ヶ月ぐらいスタディガイドを読みましたね。
試験では網羅的に得点しないといけないと感じました。
忙しい中での勉強方法の工夫とは?
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とてもお忙しい中での受験だったと思いますが、勉強の時間はどのように捻出されたのでしょうか?
原
空き時間に本を読んで、線を引いて、必要なことはメモしたりマルつけたり、そういう感じでしたね。
設問の範囲もわりと網羅的だと思います。
例えば、国内の調達をやっている人はどうしても海外調達のことが不得手だったり、その逆もあったり、ソーシングやっている人とオペレーションやっている人なども自らの業務範囲はある程度限定されるわけですが、試験では網羅的に得点しないといけないと感じました。
1回目の時に点数が低かったのが情報システムの項目だったので、その部分は重点的に覚えて、あとは専門用語を覚えるということをしましたね。
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もともとご自身で経験されてきたことに、本を読むことで理論化されて確証を持って受けられたということでしょうか?
原
そうですね。
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CPP・A級資格も合格されていますが、A級の時は何か特別な対応はされたのですか?
原
A級資格の時はB級資格と比べると暗記性が少なくて、考え方を問われる試験だと思いましたので、そこはB級資格よりうまく対応できるかなと思っていました。
もちろんスタディガイドは読みましたけれども、基本的なところは問題意識を持って業務を行っていれば合格は難しくないという印象です。
心のモヤモヤがとれ、自分のスキルや手法、アプローチに自信がついたことが一番大きい変化だと思います。
CPP資格を取得して変わったこととは?
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実際にB級資格、そしてA級資格と取得されての変化はございましたか?
原
ずっと心の中がモヤモヤしていて、自分のスキルや手法、アプローチに自信がなかったのですが、そのことに自信がついたことが一番大きい変化だと思います。
部下なりメンバーに指導する立場でもあるので、その時に理論立てて自信を持って説明ができるということは、個人の中での「なんとなく」のナレッジやスキルが、形式知化され、体系立てて説明ができるようになったということだと思います。
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CPPを学んで暗黙知を形式知にしていただいたということですね。
部下育成の際に気をつけていることなどはありますか?
原
体系的に指導することですね。「1つの細かい事象ではなくて、体系的に何が何に繫がっていて、だからこうなっているのですよ。」ということを腹落ちしやすく説明することが自分の中でも整理ができてきたと思います。
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なるほど。
ちなみに部下の方のCPPへの取組みはいかがですか?
原
受験したメンバーも出てきていますね。
買う専門家としてのプロのスキルやナレッジがあるということを示していきたいと思っています。
CPP取得後に描くキャリアパスとは?
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先ほどキャリアパスということをおっしゃられていましたが、原さんがA級資格まで合格されている姿は、部下や後輩の方々にキャリアパスを示されていますでしょうか?
原
購買部門を構成するバイヤーは、いろんな部門から集まってきていますが、バイヤーとしてのファンダメンタルというものがあると思うのです。
ユーザー部門ではなく、バイヤーが購買業務やソーシングをするという意味では、買う専門家としてのプロのスキルやナレッジがあるということを示していきたいと思っています。
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その他、購買部門に対してのお取組みや働きかけはございますか?
原
まだなかなか公式的なものが無くて、他のグループ会社とのナレッジやベストプラクティスの共有や比較ができていないのが悩みですね。
食品会社に限らず、その他たくさんのお会社の調達部門の方とコンタクトをして情報交換することを今は心掛けています。
常に実際の業務に活かすというのが本当に大事だと思います。
CPP資格取得で本当に大切なこととは?
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最後に、これから受験される方への応援メッセージをお願いします。
原
応援メッセージになるか分かりませんが、2~3年問題意識を持って業務に取組んで、専門用語を覚えられればきっと合格できる内容だと思います。
一方、自らの業務の範囲以外でも広く出題されますので、自分の弱い領域は何か、ということを早く見つけてそこを補完する勉強するのが合格する近道だと思います。自分の専門領域についてはおそらく得点できると思いますので。
網羅的に出題される中でも不得手なカテゴリーを補完するのが全体の点数を底上げする上でいいのかなと思います。引いては実務にも幅ができて必ず役立ちます。
それから、実際に勉強して合格してからの感想になりますけれども、あくまでも資格の取得は、アプローチなり施策なりの「ナレッジ」を得られることでしかなくて、学んだものを実際の業務に活かさないとあまり意味がないと思います。
今も私は机のかたわらにスタディガイドを置いていますけれども、常に実際の業務に活かすというのが本当に大事だと思います。
合格して資格の取得者になるだけではなくて、実務に活かすというところが重要だと思います。
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今日はどうもありがとうございました。