日本信号 小川氏 インタビュー
日本信号の小川千尋さん(ものづくり本部 久喜事業所資材部 調達グループ)にお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
資材部のお仕事の印象とは?
森宮
小川さんは、入社して何年目になりますか。
小川
2年目になります。初期配属の配属先が現在の資材部になります。
森宮
一番最初に配属先を聞いたときの率直なお気持ちはいかがでしたか。
小川
それが志望していた部署ではなく、資材部はまさか自分が行くとは思っていなかった部署でした。
森宮
初めて配属を聞かされたときに、資材部での仕事にはどのようなイメージを持っていましたか。
小川
当時の私が知っていたことは、物を買ってくる部署というだけで、何を買うのかも知りませんでした。具体的にどんな業務を行っているかを、ほとんどイメージすらできなかったというのが正直なところです。
森宮
最初に調達グループで担当されたお仕事はどんなものだったのですか。
小川
弊社の久喜事業所では、鉄道信号関係の制御装置を作っているのですが、その組み立て・配線の外注を担当、および機器間を接続するケーブルのアセンブリの外注を担当しました。
森宮
もちろん新入社員の研修もあったと思いますし、最初は先輩と一緒に業務を担当されたのだと思いますが、実際に担当してみて、何か驚きや面白さのようなものはありましたか。
小川
面白さを感じたのは、サプライヤーの工場に訪問し、現場を見学させて頂いた経験です。
モノづくりの現場を見た経験の無かった自分にとって、働く方々の様子を拝見させていただくことは非常に新鮮な経験でした。
森宮
今でも鉄道信号の関係の業務に携わっていらっしゃいますか。
小川
鉄道信号関連の組み立ての配線の外注作業と、グループ会社で行っているプリント基板の実装部品の外注品の担当をしております。
CPPとの出会いと試験対策とは?
森宮
2年間この業務に携った中で、CPP資格について、いつどのようなかたちでお知りになったのですか。
小川
CPP資格については、配属まで全く知りませんでした。
配属初日に部長から、今後の育成のステップの1つとしてCPPという資格の紹介があり、初めてCPPというものを知りました。
森宮
それが小川さんにとってはCPPとの初めての出会いだったのですね。
具体的に受験するタイミングの指示などはありましたか。
小川
具体的な指示はありませんでした。
自分としては、早期に知識を体系化したいと考えていたので、早めに受験するつもりでした。
CPPとの出会いと試験対策とは?
森宮
試験を受けるなら、予約をしなくてはいけませんし、試験を受けるための準備も必要になってきますが、自主的に時期を決められたのでしょうか。
小川
はい、そうです。
2年目になる今年の4月頃に、そろそろ受けてみようかと思い立って申し込みしました。
森宮
初めてCPP試験のガイドを受け取ったときはどう思われましたか。
小川
ガイドが分厚く、とても試験範囲が広いと思いました。
先輩方からは、しっかり勉強しないと合格しないという話を聞いていたので、難しい試験なのだろうという印象がありました。
森宮
すでに資格をとった先輩たちもいらっしゃったと思いますが、自分から勉強方法を聞いたりとか、先輩たちから何かアドバイスがあったりしましたか。
小川
自分から先輩に聞きに行って、先輩が使っていたテキストをいただいて読み込みました。
受験の直前の7月には、以前にCPPを受験した先輩がいたので、その先輩にどういう対策をしてきたかとか、どういう問題がどういう形式で出るのかというところは教えていただきました。先輩方の指導がなかったら、恐らく合格していなかっただろうと思います。
勉強時間を確保する方法とは?
森宮
小川さんはCPP対策セミナーを受けたのですか。
小川
いいえ、私はセミナーを受講していません。
森宮
先輩のアドバイスを聞いて、使われた教材などを参考にしながら勉強されたということですけれど、どのような勉強の方法に一番時間を割きましたか。
小川
割いた時間でいうと、一通りテキストを読むのに一番時間がかかりました。
私の場合は、朝30分ずつ時間を作って少しずつ読み進めていくようにしていました。
森宮
週末などはどうしていましたか。
小川
ずっと平日に勉強していたのですけれど、試験が近づいて来てからは、勉強量を増やすために週末も勉強しました。
森宮
やはり業務をしながらの試験対策ですから、負担に感じることもあったかもしれませんが、何か試験対策で工夫されたことはありますか。
小川
十分な時間が必要でしたので、いかにその時間を確保して勉強するかというところは工夫しました。自分の場合は、一日のスケジュールに勉強時間を組み込んで、そのスケジュールを崩さないように心がけていました。
試験が近づいてきた4月、5月ぐらいから少しずつ、コツコツやっていくしかないなと思って勉強しました。
森宮
試験当日は緊張すると思いますが、実際に受験された感想はいかがでしたか。
小川
私の場合は、どういう形式でどういう場所で試験があるかというのを先輩から聞いていたので、それほど緊張せずに、大体イメージ通りに解けたと思います。
森宮
試験直後に合格がわかりすぐに会社に報告したのですか。
小川
私は午前中に受験して、午後から会社に出勤したのですけれど、何も言わなくても私の顔に出ていたようでした。
周りの人からどうだったという感じで聞かれて、「受かりました」と答えました(笑)。
同時期に受けていた先輩方にドヤ顔で合格を報告したかったのですが、その日ちょうど外出していたので、報告する相手がいなくて何だか残念でした(笑)。
現場に生きてくるCPPの知識とは?
森宮
CPPホルダーになってから、まだそれほど日は経っていないですけれど、ガイド5冊分の知識がご自身の中に蓄積されましたよね。
実際の日々の業務で、やはり役に立つと思うことがありますか。
小川
日常の業務にどういう背景があり、どういうロジックで成り立っているのかを理解できたことが、CPPをやって役に立つと感じる1番大きな点だと思っています。
普段の発注業務は、取引に関する法律や商慣習を意識せずとも最低限完結させることが出来ます。
しかしCPPを学んだことで、一つ一つの作業の背景がわかり始めてきたように感じます。
これが1番自分にとってはためになりました。
森宮
そのような実感をしていく中で、自分も変わってきたと思うところはありますか。
小川
資材の仕事とはどんなことかと聞かれたときに、以前よりは自分の言葉で喋れるようになったと思っています。
森宮
では、もしも、私が「日本信号さんの資材部はどんなことされているのですか」と聞いたなら、どう答えますか?
小川
最近、資材部に新人の後輩たちが来て、業務体験をする機会がありました。
私はそのときに研修担当をしましたが、実際に業務をしている横についてもらって説明をしたときに、細かい部分の質問をされても、その意味を説明できたと思います。
知識があることで後の経験から学べる
森宮
もうすでに後輩に業務を教えているのですね。
小川
というよりは、経験の1つとして、教える機会を頂いているのだと考えています。
森宮
小川さんはサプライヤーの方々と直接お会いする機会をたくさんお持ちだと思います。
われわれはCPP資格を運用していて、CPPのテキストにはすごく完結に原理原則が述べられていますが、サプライヤーの方々との会話などの現場で、何か少し違ってきたとか、業務上のやりとりで何か実感するようなことはありますか。
小川
業務を始めてすぐのときは、本当に何もわからない状態で、言われたことに対して聞いているときは理解しているつもりなのですけれど、自分のなかでちゃんと落とし込めてないという状態だったと思います、
しかし最近はそのようなことも減りました。
これは、1年の経験によるものだけでなく、知識を学べた成果かもしれません。
サプライヤーの方から何か言われたときに、それがテキストに書いてあったことに繋がっている気がすることが、最近では少し増えてきたように思います。
森宮
私どもとしては、受験勉強のように短期集中で暗記してということが一時期はあるにしても、日々の日常の業務で活かしていただきたいということが1番の目的ですので、今後もそういうエピソードが増えていくと非常に嬉しいと思います。
最後に、これからCPPにチャレンジしたいけれど、少し忙しいのでどうしようかと迷っている方も多いと思いますので、そういった方々の背中を押すような一言をCPP合格者として、ぜひコメントしていただけますか。
小川
自分はまだ社会人としての経験も浅いので、アドバイスできるような立場ではないことは重々承知していますが、コメントさせていただきます。
私と同じように初期配属で調達の仕事をするようになった方などは、業務も大変でわからないことも多く、時間を作るのはとても大変だと思いますが、勉強した分はそのあとに生かすことができます。
少なくとも、知識を持っていることで、よりその後の経験から学べることが増えますので、CPPを受けるチャンスがあるのであれば、積極的に受けていただければと思います。
森宮
小川さんは入社してまだ2年ということで、小川さんにしか聞けない若い意見をたくさん聞くことができました。
ありがとうございました。
小川
こちらこそ、ありがとうございました。