中部電力 インタビュー
中部電力株式会社
鈴木様・吉添様・松田様・黒川様・山本様の5名にお話を伺いました。
聞き手は日本能率協会事務局の勝田です。(以下敬称略)
CPPに取り組んだきっかけとは?
勝田
まずはCPPに取り組んだきっかけからお伺いいたします。
鈴木さんから代表してお話しいただけますか。
鈴木
数年前、同業他社との情報交換の際に、CPPという資格があり、その会社が組織的に取り組まれていることを伺いました。CPPは調達に関して幅広く体系的に学べる非常に有意義な資格であるとのことでしたので、どういうものなのかを調べ始めました。
勝田
それまではこういう教育の仕組みに触れる機会はなかったのでしょうか。
鈴木
これまでの当社調達部門の教育は、社内研修やOJTをメインにしており、日本能率協会主催の調達関連のセミナーを必要に応じスポットで受講させていただくことはありましたが、CPPのような社外資格の取得までは実施しておりませんでした。
勝田
基本的に社内研修やOJT教育でスキルを高める取り組みをしていたわけですね。
このCPPという資格を初めて知ったとき、どんな印象を持ちましたか。
なかなかピンと来なかったのでしょうか。
鈴木
そうですね、CPPという言葉自体が何だか難しそうで、どういうプログラムになっているのかピンとは来ませんでしたが、自分が長年携わってきた調達に関する資格ということで興味は湧きました。
勝田
情報収集を進めていただき、最初に受けていただいたのがこの中だと鈴木さんになるのでしょうか。
鈴木
最初に受けたのは私ではなく、私と同じ所属の上司、先輩、後輩の計3人がまず同時に受けました。
勝田
その3人の方が受けるまでの経緯を振り返っていただきたいのですが、どんな感じでしたか。
鈴木
3人が受けたのは、当社調達部門の組織が大きく見直された頃でした。2018年に、元々資材部という1つの組織が再編され、部門の取りまとめ機能は私の所属する資材室となり、実際の調達機能は、電力ネットワークカンパニー等の各カンパニーに分散配置されました。
資材部時代には、人財(当社では、人材を人財と表記します)のプール運用ができましたが、分散配置下では、人財の早期育成、マルチ化が急務となりますし、それぞれの組織で調達を牽引できるキーパーソン「戦略バイヤー」の育成が必要という課題感がありました。
そのような課題の解決に資するものを模索している時期でしたので、まずは、部門の教育を企画する資材室から、評判の良いCPPを体験してみようということになりました。そこで、3人に白羽の矢が立ちました。
最初の3人から社内に広げた方法とは?
勝田
実際にその3人の方が受けるに当たって苦労などがあったと思いますが、いかがでしょうか。
鈴木
周囲にCPP取得者がいないため、どのように学習すればよいかわからず、とりあえず調達プロフェッショナルスタディガイド(以下、ガイド)を読み始めたと聞いています。
ガイドを読み進めるうちに、調達に関する体系的な知識や幅い分野の知識に触れ、とても内容が興味深いものであることに気づき、学習意欲が高まっていったと聞いています。
勝田
基本的な勉強方法はガイドの読み込みが中心だったのでしょうか。
鈴木
まずガイドを通読し、試験対策セミナーを受講させていただきました。その後ポイントを把握したうえでさらにガイドを読み込んでいったと聞いています。
勝田
その3人の方が受けられてから、鈴木さんを含むきょうの5人のみなさんが受けるまでは、どういった経緯があったのでしょうか。
鈴木
最初の3人は無事全員合格しました。知識を得て、資格も取得できたため、とても達成感があったようです。3人でお祝い昼食会をしていました。試験が終わった後も、3人はガイドを頻繁に開いて、日々の業務の参考としており、実業務においても役立つという実感があったようです。私も3人が開いているテキストがとても気になり始めました。
結果、組織としてCPP資格取得の目標を立てて、部門全体へ展開していこうということになりました。
勝田
先駆者の3人の取り組みが組織の取り組みに広がっていったわけですね。
それでもっと多くのメンバーが受けることになり、みなさんがチャレンジしたということでしょうか。
鈴木
はい。体系的かつ幅広い調達知識が習得でき、実業務にも役立ち、学習意欲が湧きモチベーションも高まるということで、積極的に広めていこうと。
勝田
社内で広めていったとき、苦労など多かったのではないですか。
「さぁみんなやりましょう」というわけにはいかないですよね。
鈴木
そうですね、まずCPPがどういうものであるか、どういうメリットがあるのかを丁寧に部門の皆さんに説明する必要がありました。先ほどの3人の中には私の上司もおりまして、自ら取得し、良さがわかっているため、積極的に会議の場等で、その良さをPRしてくれました。みなさん徐々に興味が湧いていったように感じます。受験すれば資格が手に入る、というのもポイントの1つであったのかもしれません。
CPPを知ったときの印象とは?
勝田
鈴木さんからみなさんへ紹介があり、CPPを受けることになったのですが、そのときの印象を振り返っていただけますか。
山本さんはいかがでしたか。
山本
私は他のみなさんと少し違い、調達業務の実務経験がほとんどありません。
15年ぐらい前に1年ほど不用品を売却する業務をやったことしかありませんでした。
実務経験がほとんどないのに、昨年度から調達システムの保守を総括する立場になり、ちょうど始まった調達システム刷新の担当に指名されました。
その中で知識や経験不足を負い目に感じていたときに、CPPの話をいただきました。
最初は中身が全然分からず、システムの担当者が受けるのに少し懐疑的でしたが、受けた方からテキストを借りて中を読むと調達システムに関する単元があり、一度勉強してみようと思ったのがきっかけです。
勝田
ご自身の課題と感じられていたことが、CPPの中で触れられていたことがポイントだったのでしょうか。
山本
そうです。
いろいろな社内の手引きを読んでも、体系的に調達とは何かというところは、実務をやっていなければ見えてきません。
CPPは体系的に学ぶ機会であり、調達システムを刷新する立場からより良い調達がどんなものか、物差しがあればいいと思っていたところへ普遍的な知識を学ぶ機会がやってきました。
それでチャレンジさせていただくことにしたのです。
勝田
黒川さんはいかがでしょう。
初めて紹介を受けたときの印象を振り返ってください。
勝田
コストダウンにしてもいろいろなやり方、考え方があり、その部分で広がりを持つきっかけになったのですね。
リーダー率先の理由とは?
勝田
それでは、松田さんはいかがでしょうか。
CPPについて初めて知ったときの印象を振り返ってみてください。
松田
私は再生可能エネルギーカンパニーに所属しておりますが、調達は私を含めて10人で行っています。
その中でだれか1人が受験するという話が持ち上がりました。
私は入社直後に少し営業にいましたが、それ以降はずっと調達を担当しており、調達歴が30年ちょっとになります。
ガイドなどを少しめくってみたところ、いろいろと新しい手法が学べることが分かりました。
リーダーをやっていることもあり、率先して自ら挑戦することにしました。
まず、自分が実践したうえで、みんなに「こういうところがいい」、「こういうことをやると勉強になる」と伝えたいと思ったのです。
勝田
各社でインタビューしていますと、社内のリーダー、特に課長や部長クラスの方が率先して受けると社内に浸透することが多いようです。
必勝パターンの典型ですね。
吉添さんはどうでしょうか。
吉添
私は調達部門に8年ほどいるのですが、この話を聞いたときまで自分のスキルを測る物差しが存在しませんでした。
自分がどのくらい調達について知っているのか、実感を持つことができなかったのです。
そこへ調達のスキルを測る資格があることを知り、新鮮で興味を感じました。
私は今、販売カンパニーに所属し、4人で調達業務を担当しており、工事、購買、委託、支払いや総括的業務のすべてを受け持っています。
その中で委託の比率が8割か9割を占めています。
このテキストに記載されているメーカーの話などはなじみがありませんでしたが、世の中の調達部門がどういうことをやっているのか、俯瞰的に見ることができると感じました。
自分が知らない分野や何となく進めていたところもこの勉強で強化できました。
受けて良かったと思っています。
勝田
特になじみがない章やキーワードはありましたか。
吉添
生産ラインの話ですね。
ただ、調達部門が主管部署(要求部門)に入り込み、仕様から作り込んでいくという話が出てきました。
それまでは主管部署が仕様を作り、調達部門が契約するという線引きがされている印象を持っていたのですが、いっしょになって良い調達をする意義をあらためて実感させてもらいました。
非常に良かったと思っています。
全体での取り組みに至った秘訣とは?
勝田
先ほどみなさんの方からグループ単位で受験目標、人数目標があったとおうかがいしました。
人数目標を立てるまでに鈴木さんの方で働きかけがあったと想像できますが、どのような経緯で目標を立てましたか。
鈴木
先ほど少し触れましたが、各調達組織の要所にキーパーソン「戦略バイヤー」を配置し、調達基盤を強化することを主な目的として、数年かけて調達部門の2割程度のCPP取得を目指そうということにしました。
勝田
社内の方がCPPを知らない段階で話が始まっていると思いますが、組織としてCPPに取り組むことについて、調達部門のトップや、さらには経営層へどのように説明・働きかけをされましたか。
鈴木
調達組織の分散配置という環境の激変があり、従来の部門教育体系をテコ入れする必要あるという認識は社内でもありました。また、RPAやAI等の発達により、戦略的な業務により人財を投入すべきとの課題感もありました。これらの課題にCPPがどのように資するのかを資料にまとめ、また実際に取得した3人の手ごたえ等も合わせて、調達部門長や経営層に有益である旨を訴求していきました。結果、とりあえずやってみようということで、賛同を得ることができました。
勝田
各社にインタビューをすると個人負担でのガイド購入と受験は難しく、会社の予算を取っっての取り組みが多いです。
一番ハードルが高かったのは、その承認を取る部分だという声をよく聞きました。
今の鈴木さんの話を聞くと、会社の組織が変わる中、新しい資格に取り組む機会があったわけですか。
鈴木
タイミング的にも何か新しい試み(コンテンツ)を取り入れてみようという機運が高まっていたので、そういう意味では話が進みやすかったです。
勝田
みなさん資格を取得してそんなに日が経っていませんから、それは最近の話なのでしょうか。
鈴木
2018年度から組織として取り組んでいるため、今年で2年目です。
勝田
これだけ短い期間で話を進めていく例はこれまで見たことがありません。
スピード感が結構、すごいなと思っています。
鈴木
この部署で何人という目標を立て、その達成に向かって組織として動きました。
勝田
中には「えー」という反応を示す幹部はいらっしゃいませんでしたか。
こういう場合、「俺はもういいよ」というベテランの職員や抵抗勢力となる方がいるという話をよく聞きます。
鈴木
むしろベテランの方も、CPPがどういうものであるのか、興味津々という感じでした。
資格が得られるというのが、出だしではやはり大きいですかね。
勝田
会社が最初の3人の方の実績を評価していたということですね。
学習の工夫とは?
勝田
そこからみなさんの勉強が始まったわけですが、勉強した期間や実際に取り組んだ内容などをお聞かせください。
今度は吉添さんからお願いします。
吉添
12月初旬に対策セミナーを受講し、それから1週間ほどして勉強を始めました。
実際に勉強した期間は3週間ぐらいでしょうか。
非常にテキストの分量が多いものですから、全部覚えるのは難しいと感じましたが、この1冊に要点がまとまっていて、セミナーの講師のお話も非常に面白かったので、活用させていただきました。
講師の先生から「文言を覚えるのも大事だが、意味を味わうとより理解が深まる」とのお話がありました。
実際の覚え方としては単語帳を作り、通勤時間や寝る前に2時間ぐらい勉強しました。
あとは自宅で夫に口頭で説明するなど質疑応答形式の勉強方法も取り入れ、単語の丸暗記だけで終わらないよう工夫しました。
勝田
他の人にうかがうと2,3か月という声が多いのですが、3週間とは短いですね。
吉添
2018年12月にセミナーを受け、今年の1月に受けましたから、3週間ぐらいです。
通勤時間などを使い、なるべく効率的に進めました。
多分、セミナーを受けていなかったら、無理だったと思います。
勝田
ありがとうございます。
それでは続いて黒川さんに勉強した期間と取り組みをうかがいます。
独自の記憶方法とは?
勝田
次は山本さんにお願いします。
山本
私は実務経験がありませんから、人より時間をかけないと難しいと思い、3か月ほど勉強しました。
直前セミナーを受けたあとは凝縮して勉強したのですが、それまではテキストを3回読み込むことをノルマにし、最初の1か月間読み物としてじっくり読んでいきました。
2回目は大事な部分に線を引きながら、覚えていくつもりで読み進めました。
その途中で直前セミナーが入ってきました。
当初、2回目が終わった段階で直前セミナーに臨む予定を考えていたのですが、間に合いませんでした。
直前セミナーのあとは教えてもらったポイントを中心に勉強しました。
3回目は図表を中心にひたすら覚えるつもりで読み込みを進め、最後は直前セミナーのテキストを丸暗記するような格好になりました。
私は手帳にその日に勉強する単元とページ数を記入し、その計画に基づいて勉強しました。
急な飲み会などでどうしてもできないことがあった場合は、土日にリカバリーするようにして計画通りに勉強できるよう自分に課していたのです。
財務指標や安全係数なんかがどうしても頭に入らなかったので、それらの数式もすべて手帳に書き込み、通勤時などで覚えるようにしました。
勝田
身から離さずに持ち歩き、勉強したわけですね。
それでは、松田さんどうぞ。
松田
以前合格した3人が使ったテキストをひと通り読ませてもらいました。
すると、3文字略語やカタカナ言葉がたくさん出てくることが分かりました。
それで11月ごろにテキストを購入し、山本さんと同様に3カ月ぐらいかけて勉強していきました。
私は通勤に2時間ほどかかります。
その通勤時間を使うなどして勉強を進めていきました。
テキストには付箋をいろいろとつけていったのですが、重要度や読み返した回数で付箋を変え、記憶していきました。
セミナーを受けたあとは年末年始に集中して勉強しました。
地頭もよくありませんし、年を重ねると、物覚えが悪くなってきています。
そこで、しっかりと時間をかけて勉強しました。
勝田
普段の業務で触れない部分はどうやって勉強されたのでしょうか。
やはりセミナーなどを活用したのですか。
松田
確かに腹落ちの悪いところはありました。
その時は、2種類の関連する部分をいっしょにして覚えました。
また、なじみがない個所は前工程とつなげるなどして記憶しました。
勝田
関連性を確認しながら、勉強を進めたわけですね。
ちなみに付箋の色の違いはどんな感じだったのでしょうか。
松田
濃い色ほど重要として、赤から順にオレンジや黄色に変えていきました。
これをつけていくと、次に読み返した際、どこがポイントになるのかがよく分かります。
それと略語のところは青い付箋をつけました。
ただ、あまり付箋をつけすぎてよく分からなくなったところがあったかもしれません(笑)。
合格に必要不可欠な職場風土とは?
勝田
鈴木さんはそういう取り組みを見ていたと思いますが、合格するために全社で取り組んできた活動はありますか。
鈴木
セミナーの受講については、受験予定者全員に受けていただくようにしましたが、それ以外については完全に個々人にお任せであり、皆さん自分のペースで勉強していくかたちでした。
ただ、皆さん顔なじみで、風通しもよい部門ですから、分からない部分があれば「これはどういう意味ですか」と勉強が進んでいる人に教えてもらうなど、みんなで協力し合っていた部分はありました。
勝田
もともとそういう風土があったのでしょうか。
鈴木
そうですね。日頃の業務でも、困ったときは相談し合い、最適解を導いていくという風土はありますね。
勝田
インタビューさせていただく会社では、業務時間中は仕事に集中するため、一切勉強をしないところもありました。
昼休みや夜、朝に勉強会を開く会社も結構、聞きます。
もともと相談し合える組織風土がある中、各自がしっかりと勉強するやり方が合っていたのでしょうね。
ところで、目標は今期中に何人などと合格する期限は特にあったのですか。
鈴木
年度で期限を区切っておりますので、今回受けた私たちは、2018年度中に合格するという目標でした。
勝田
みなさんとも基本的に一発合格ですね。
これはなかなかないことだと思います。
1つの組織で5人ぐらい受ければ、1人や2人は何度か挑戦することになるものです。
それにみなさんのスコアが高いです。
やるからには満点を目指していたのでしょうか。
高得点の裏側も教えてほしいのですが、どうでしょうか。
鈴木
私は、正直に言って、こんな高得点が取れるとは思っていませんでしたので、点数を見た瞬間は開いた口がふさがりませんでした。
高得点の裏側かどうかはわかりませんが、セミナーで配布されたテキストは、とにかく完全に覚えました。ガイドは膨大なページ数ですから、読み物としては大変面白いですが、試験対策という観点からは、どこを重点的に学習したらよいのかがわからないというのが実感です。テキストの内容を頭に叩き込むと、ガイドのポイントになる箇所が把握でき、記憶もより定着します。
私以外の皆さんも、セミナーのテキストを見て、合格への希望が湧いてきたのではないでしょうか。
勝田
合格後は社内に報告する義務があるのでしょうか。
鈴木
会社で予算を取って受験しておりますし、合格人数は調達部門としての目標になっていますので、報告する義務があります。
勝田
そのあとは社内で表彰式とか何かあるのでしょうか。
鈴木
表彰式とかは特にありませんが、何点であったか等、かなりみんなで盛り上がりましたし、そして喜び合いましたね。一体感が高まりましたね。コミュニケーションツールとしても有益なものであると思います。
CPPを取得して業務に活かされたこととは?
勝田
実際に資格を取得されたあと、業務の中で生かせたことやこういう部分に生かせるのではないかと感じたことがあれば、教えていただけますか。
山本さんはどうでしょう。
山本
本当にやって良かったと思っています。
体系的な知識を身に着けることができました。
職場に20人の仲間がいる中、私が最初に受けましたが、落ちると嫌なのであまりアピールせずに試験を迎えました。
実際に受かってみてシステム担当こそが受けるべき資格だと思っています。
システムという部署は全体のつながりを理解しなければ、いろいろな不調を直したり、新しいものを作ったりすることができません。
さまざまな関係先と調整・合意を図っていくうえで、CPPで習った体系的な知識が役立つと考えています。
具体的に役に立ったことはEDIシステムの関係です。
世の中はペーパーレスで電子化の時代です。
取引先もEDIだけを考えてやっていく方向になっていましたが、テキストの中でEDI加入を条件として扱うことが下請法に引っかかる可能性があることが分かりました。
取引先がEDIに入らないケースを想定し、非加入のルートを用意しておくべきではないかと意見提起させていただき、現在、EDIを使わないところも考慮に入れたシステム検討を進めています。
具体的に勉強の成果が生かせたわけで、良かったと思っています。
受ける人は大体、年に1人か2人ですから、なかなかメンバーには行き渡りません。
私としてはチームの中で勉強会を開こうと考えています。
合格者を待っていると時間がかかりますから、先に知識を広めたいと思います。
勝田
分かりました。
続いて黒川さん、お願いします。
勝田
続いて松田さんはどうでしょうか。
松田
まず、用語のところです。
知らない、聞いたことはあるけど意味をよく理解していない用語がよく分かるようになりました。
私は再生可能エネルギーのカンパニーで、資材調達に携わる者が10人です。
また、他のカンパニーと異なるところは、調達の上流側にあたる工事発注や物品の購入請求をする部署といっしょのフロアで働いています。
そのような環境なので、今回勉強したことによって上流部署の仕事をイメージしやすくなりました。
テキストの内容も非常に分かりやすかったので、それを仕事に生かせていると思います。
聞き覚えがあることも、もう1回テキストを読み返すことで腹落ちさせることができます。
勝田
業務の中の1つのよりどころのようなイメージですね。
共通言語をよく理解できるようになったということですが、調達部門の全体の共通言語にしようというところもあるのでしょうか。
鈴木さんいかがですか。
鈴木
打合せ・会議等では、どうしてもそれぞれの立場や個々人の経験、そこで培われた理論・用語での話し合いとなるため、例えばここにいる松田さんの発言内容が理解できなかったり、自分の発言内容が伝わらないということがあります。
そこへCPPにより培った共通言語が入ると、ああ、松田さんはこういう定義に基づき、この言葉を使っているのだなとか、多少なりとも分かるようになりましたね。松田さんからみてもそうだと思います。論点が浮き出て、効率的に議論できるようになりましたよね。
勝田
吉添さんはいかがでしょうか。
合格されてから役に立ったことや変わったことはありましたか。
吉添
今までの調達は少額でも大きな金額でも同じような考え方で業務に当たっていたところがありました。
このテキストを参考にしていくと、自分に新しい案件が来そうになったとき、どこに重点を置いて契約すべきかがよく分かるようになりました。
何を重視すべきかのよりどころが自分の中にできた感じがします。
業務の仕様についてももっと知ろうとする気持ちが強くなり、現場へ足を運ぶなど、自分の中で意識の変化が出てきました。
その分、視野も広がったと思います。
CPPの取得を今後どう活かすのか?
勝田
最後の質問は鈴木さんと松田さんにお願いします。
松田さんは課長として組織をマネジメントする立場ですが、これからこの資格をどう生かしていこうとお考えでしょうか。
鈴木さんは教育全体を統括する立場から会社としてどのように活用したいと考えているのでしょうか。
まずは松田さんからお願いします。
松田
まず、リーダー、マネージャーという立場の私がこの資格を取得したことに対し、部下が「やったね」といった反応を示してくれます。
人を引っ張り、育てていく立場としては、非常に価値があるでしょう。
私が先頭に立つことで「それなら僕たちもやろう」という空気を生めたかなとも思います。
分社化など会社を取り巻く環境が大きく変わろうとする中、もう1度ゼロベースで仕事を見直していこうと部下に話していますから、その点でも、基本となるCPPの内容をしっかりと伝えていきたいと思います。
みんなに知っておいてほしい部分は機会があるたびに話しており、今後は、部下に受けさせたいと考えています。
勝田
他の部門に知識を伝え、若い人をどんどん育てていく結果、資格所有者の増加で同じ知識を持つ人が増えると、マネージャーとして心強いですね。
松田
そういう意味ではよい資格ではないでしょうか。
勝田
ありがとうございます。
鈴木さんどうぞ。
鈴木
「戦略バイヤー」をより多く育成し、会社全体の調達力強化を図るために、CPP資格をこれからも奨励していくつもりです。私がCPP資格を取得して実感したことは、知識がしっかり身につきますので、バイヤーとしての自負心が高まるということです。
当社では、分散配置により各調達組織は主管部署(要求部門)との距離が近くなっています。今後は、各バイヤーが自分の持ち場で、CPPで身に付けた知識を活かし、主管部署へ積極的に提案し、協業を深めていくこと等で会社に一層の利益貢献をしていければと思います。他部門や経営層から見て、調達組織がより頼りがいのある、存在価値の高い組織であると認識してもらえるようにしたいです。それが各バイヤーのさらなるやる気に繋がる。好循環ですね。
鈴木
プロフェッショナル集団、プロフィットセンター、良い響きですね。益々やる気が湧いてきます。
勝田
今後みなさんが先頭に立って引っ張り、新しい価値を作り込んでいく調達組織にしてほしいと思います。
みなさんありがとうございました。