スミダ電機 インタビュー
CPP-B級試験試験対策オンラインセミナーを受講し、見事合格されたスミダ電機 坪井様にお話をお伺いしました。
現在CPP-B級取得に向け学習中の岩見様、小森様にもご同席いただきました。
CPP資格を知ったきっかけは?
--皆様が所属されているアジア購買部&技術購買部の業務内容について教えてください。
坪井
スミダ電機(株)本社は宮城県名取市にあり、持株会社であるスミダコーポレーション(株)の日本の電子部品製造販売会社です。
日本を含むアジア地区では、中国に7ヵ所、ベトナムに2ヵ所、日本に2ヵ所とタイに工場があります。
各工場にはそれぞれ購買部があり中国の広東省にアジア購買本部があります。
日本の技術購買部門では主に開発購買業務を行っています。
コロナ禍以前は、毎月のように海外工場へ出張し現地のサプライヤの方々と打ち合わせや新製品立ち上げ確認を行っていましたが、今では内外共にWeb会議が中心となり現場を肌で感じることが少なくなりました。
また、アジア地区以外にもヨーロッパや北米にも工場があり部品の共用化等連携を取っています。
そのような組織体制の中私は現在、中国に本部を置くアジア購買と日本の技術購買を兼務しています。
技術購買、開発購買のみならず、中国やベトナム、タイといった様々な国の量産購買や日々のトラブルにも対応しています。
岩見と小森は技術購買の専属として、開発部門や事業部と共に新しい製品を開発すべく当該部門のメンバーと同じチームに所属しながら様々な部材を購入、提案する業務を担っています。
--CPP資格取得を目指す前に、何か業務で課題や困りごとはありましたか?
坪井
実は特になかったのです。自分たちの業務には自信を持っていました。
他社に負けず、会社としての利益も上げていましたし、コスト削減、VE、VAにも何十年も前から取り組んでいました。
--そうだったのですね。では、CPP資格取得を目指すきかっけが何かあったのでしょうか?
坪井
2年ほど前に、会社全体で様々な部署の業務見直しやレベルアップを図るなか、トップマネジメントから「当社の購買部はプロフェッショナルですか?」という問い掛けを受けたことが一つのきっかけでした。
経験豊富なメンバーや業務成果・業務内容知識を考慮し、「プロフェッショナルが揃っています」と自信をもって即答しました。
購買部の各個人はスキル毎の力量表や教育訓練記録台帳も共用しており、購買業務取得内容にも自信を持っていました。
ところが、これはあくまでも自社内での評価であり、他社との比較や一般的にどうなのか?と問われたときに説明が出来なくなりました。
そこで、購買(調達)関係で資格認定制度のようなものは無いのか探した結果、CPPを知りました。
そこからは迷わず購買部の教育訓練に取り込むことを決めました。
CPP資格試験を選んだ決め手は?
--詳細にわたり、ありがとうございます。
CPP以外で従前より導入されている御社の教育プログラムについても教えていただけますか?
坪井
年3回ほど開催される、下請法に関する中小企業庁のセミナーに積極的に参加しています。
社内的には、希望する勉強・その内容を記載する「教育訓練台帳」を活用しています。
また、ISOに則った形で「力量表」を作成し、全メンバーの技術やコミュニケーション能力、知識の見える化を図り、管理しています。
さらには、会社と契約書を交わすような形で自己のレベルアップを図る「チャレンジシステム」を採用しています。
これは、毎年1回、自らコミットメントを定め、取り組むべきチャレンジ項目や仕事内容とは別に手助けするコントリビューション項目を設定し遂行するものです。
世界的な大手企業でも導入している「ヘイ・システム」の評価基準も取り入れ、それに基づいて教育プログラムも展開し社員のレベルアップにつなげています。
会社と社員の間で約束事を明確にし、取り決めを交わし、それに向けて各人が自己研鑽し、上司もマネジメントしながら進めることで、個人が年々レベルアップを図れるような取り組みを何十年にもわたり実行しています。
--充実した教育体制をお持ちなのですね。その体系の一つとしてCPPを選んでいただいた決め手はどこにありましたか?調達・購買に関する研修は他にもあったかと思うのですが・・
坪井
知名度の高い大手企業でも採用されている点に安心感を覚えました。
現在、約17,000名が所属するSUMIDAグループにおける製造部の中の購買部、日本の技術購買の部署にてCPPのB級を取得すべく教育プログラムの一つとして展開しています。
--CPPの導入を決定後、どのように展開されたのでしょうか?
坪井
はじめに会社としてガイドを数セット購入し、社内で読み合わせ・集合学習を実施しました。しかし導入直後3密禁止の事態に陥ってしまいました。
勉強もままならない状態でしたが、今までの実務経験に自信があったため、まずは試験バウチャーを複数枚購入し試験に臨みました。
日本の技術購買メンバーから資格を取得し、その後海外拠点へ水平展開を図ろうと考えました。
--試験の結果はいかがでしたか?
坪井
購買については一定の知識・自負を持つメンバーが受験したにも関わらず、お恥ずかしながら結果は惨敗でした。
しかし正直なところ、その理由はわかりませんでした。なぜなら、インコタームスの条件や、品質管理の7つ道具、製造のボトルネックなどは知っていましたし、そうした内容が出題されていたため、受験者たちは答えが合っていると思っていたからです。そこでしっかりガイドを読み込み勉強しなおすことにしました。
--その次の一手としてオンラインセミナーを選択いただいたのですね。
オンラインセミナーをご存知になったきっかけについても教えていただけますか?
読み込み勉強しなおす決意をしたものの、ガイドはボリュームも多く個人で勉強するには難しい印象があったため、受験対象者が週に1度でも集まって勉強しようと考えていました。
会社からは就業時間内に勉強することや、試験に関連する経費補助の承認も得ていたため、勉強会という形で進めようと思っていました。
しかしコロナの影響で集まれず、進まないまま半年余りが経過してしまいました。
試験対策セミナーも遠隔地のため出張禁止下ですし、繁忙期に2日間も東京のセミナーに参加することは難しく、このままではいけないという思いを抱いていました。
そのような時に、メールでオンラインセミナーのご案内をいただき、受講することにしました。
サンプル動画を見たところ、ガイドでは、用語の定義や理論等を言葉(文章)中心に記載されており、その後に図表でまとめて理解を深めるプロセスですが、サンプル動画では、まとめられた図表で流れを理解する中で覚えなくてはならない用語や定義が出てくるので非常にスムーズに吸収出来ると感じました。
そこで部内で相談したところ先ず、この部署の責任者である私がCPP-B級試験対策オンラインセミナーを受講することに決まったのです。
CPP試験対策オンラインセミナーの利点は?
--オンラインセミナーを受講されて、使い勝手はいかがでしたか?
坪井
会社からは就業時間内の学習を許可されておりましたが、実際、購買業務は先行的に問題を潰していてもお客様や外部環境によって解決すべき問題が多発する為、会社での視聴は不可能でしたので全て自宅に帰ってからの視聴となりました。
受講し始めて約1ヵ月で、自分なりに試験では満点が取れるという実感を得られました。倍速の機能が非常に便利で、1.5倍から2倍、ときには3倍速で聴いていました。当初は3~4ヵ月後の受験を考えていましたが、かなりの時間短縮となりました。
リアルのセミナーで聴講すると2日間ほどかかる内容量が、この機能を活用することで、自分が決めた時間枠の中で勉強できます。
実際の講義だと2~3倍の時間を要するところ、その節約が図れるのです。購買業務は日々追われることが多く、会社ではまとまった学習時間が取り難いのも現状です。
時間的な制約や限られた自宅のPC環境化でも、自分のペースで時間を有効に活用し学べます。その利便性の高さもポイントの一つですね。
--試験に合格された今、振り返ってみて1番大変だったことは何でしょうか?
坪井
購買関連の知識には問題はありませんでしたが、総数約800ページのガイドに記載された用語説明文や文章の虫食い問題が出題されるとさすがに厳しかったので、出題者側がどこの部分を暗記すべきと考えているのか?を把握することに集中しました。
実務的には自信を持っていますが、現場の実態とスタンダードとされる業務、言葉の定義にギャップがあったのだと思います。例えば「取引先が倒産し、支払い関係の連絡がきた際、ベストな行動はどれか?」という選択問題がありました。答えは「まず経理部に相談する。」です。もちろんそれも正当です。
しかし実務では、様々な情報を収集、債権の会議に出席等します。現実的に現場で取る行動と定義に違いがあったのだと思います。
--その他に合格に向けて工夫された点はありましたか?
坪井
ビデオ講習内容は、1~2回程度視聴しただけで、講義内容は理解出来たので覚えなくてはいけない項目を簡単にノートに書き出しました。
その他では、オンラインセミナーの理解度テストを50分~1時間かけて最初から最後までとおしで解き、全問正解できるレベルまで繰り返したことです。
最初に試験を受けた際に間違えた問題を振り返り、正解を知る上でもこの理解度テストは非常に役立ちました。
―実際の試験を想定し、対策を取られたのですね。
坪井
理解度テストで間違えた部分を講義映像で見返せる点もオンラインセミナーの利点です。ガイドを読むだけではなく、映像を見直し、理解度を確認しながら自信をもって進められます。
ガイドですと、文章が先にあり、その後図解の説明、そしてポイントが示されます。
実際の試験では、文章の中からも出題されるため、ガイドですと頭からすべて勉強しなければなりません。
一方、オンラインセミナーは最初に図解から入り、その後、そこをより詳しく説明するため効率がとても良いと思います。
講師の話し方で重要ポイントもしっかり把握できます。そこに重点を絞り、覚えるべき要点・単語をノートにまとめました。
--コロナ禍にあって社内での集合学習が難しく、自宅など個人での勉強が強いられるなか、合格へのモチベーションを支える拠り所は何でしたか?
坪井
CPPの資格取得を教育訓練計画やISO書類の実行表にも登録し、年内に必ず合格することを明記もしました。会社として予算を取って進めているプログラムのため、責任者としてもやらなくてはという強い思いで臨みました。予め試験のバウチャー券を購入していたことも、自身の鼓舞に貢献したと思います。
CPP資格取得の前と後で変わった点は?
--オンラインセミナーを活用し、しっかり対策を取られて受験に臨まれました。受験時の手ごたえはいかがでしたか?
坪井
オンラインセミナーの視聴を始めて約1か月後にCPP-B級の試験を受けました。
正直、試験時間も余裕で退出して満点取るつもりで試験に臨みましたが、試験を始めると問題数の多さに驚きました。
結局、全問回答するのに制限時間丁度となり合格点もボーダーラインギリギリでした。
―見事1か月で合格されました。おめでとうございますCPP資格の取得前と後において、実際の業務で変化した点はありましたか?
坪井
自身の知識を改めて体系的に整理できたことは大きかったと思います。プラスの変化しかありません。
また、経営のトップマネジメントや製造のトップにとっても、自分の会社の購買部門が客観的な指標でプロのレベルにあると評価できる安心材料になったのではないかと思います。これが一番の成果だとも言えます。
--CPPを受験したことで新たに得た知識、考え方はありましたか?
坪井
これまで点と点であった業務を繋ぐ意味でも体系的に学ぶ意義は大いにありました。
自信を持っていた業務、すなわち点が結ばれ線になり面になり、より強固な知識になるからです。
またCPPを学び知見が一定レベルまで高まることで人に教えられるようになります。
人に教えると自分の知識も深まります。こうした意味でも非常に有意義だと思います。
是非他の購買メンバーにも受験を勧め、資格取得者の数を広げていきたいと思っています。
--今後、スミダ電機ではどのような方をCPP-B級取得の対象としてお考えですか?
坪井
まずは日本の技術購買グループのメンバーを考えています。
--そのメンバーが岩見様と小森様なのですね。お二人は今、どのように試験に向けて準備されているのでしょうか?
岩見
ガイドを何度も反復して、読み込み覚えていく方法を取っています。
前回受験した際にどこが間違っていたのかがわかると、勉強するポイントが明確になり効率が上がると思います。
小森
以前は購買のメンバーと読み合わせながら勉強していました。
しかしコロナでそれができなくなり、今は少しずつガイドを読み進めている状況です。
産休、育休から復帰したばかりでまだ最初の部分にとどまっているため、ペースアップを図る必要性を感じ、危機感を持ちながら勉強しています。
CPPの資格取得を海外拠点に広げていきたい、…今後の展望は?
--今後の展望について教えてください。
坪井
今後は、CPPの資格取得を海外拠点に広げていきたいと考えています。
60~70名が所属する中国の集中購買の部署、十数カ所あるアジアの工場、そしてその他の国の工場へ展開し、当社の購買組織全体のレベルアップを図りたいと思っています。
そのためにも、まずはB級の資格取得を促進し、将来的にはA級の資格取得も視野に入れています。A級資格の取得に向け、B級と同様、オンラインセミナーがあるといいですね。
--坪井様の知見を活かし講師として、社内の勉強会等でレクチャーするご予定もあるのでしょうか?
坪井
当初は計画していましたが、コロナ禍にあり実行が難しい状況です。オンラインでの勉強会を開催し、それを足掛かりに、対象者のエンゲージメントを高めていけるといいですね。
私が作成したノートを伝授することもできますが、単純に用語を覚えるだけでは本来の意義から外れてしまいます。
受験者には全体を把握したうえで重要なポイントを学んでほしいと思っています。
言葉の丸暗記ではなく、日々の業務における辞書がわりにガイドを活用しながら定着を図っていければと考えています。
--本日は貴重なお話しをいただきありがとうございました。