2017年7月期最高得点者インタビュー (NTTドコモ 三輪氏)
株式会社NTTドコモの三輪 遼平さん(資材部 ネットワーク調達担当)にお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
CPP資格試験で最高得点を達成した実感とは?
森宮
本日はNTTドコモ資材部ネットワーク調達担当の三輪遼平さんにお話をうかがいたいと思います。
7月のCPP資格合格おめでとうございます。
今回、三輪さんは800点満点中の792点を獲得し、見事に最高得点となりました。
二重の意味でおめでとうございます。
三輪
ありがとうございます。
森宮
この点数の実感はありましたか。
三輪
いくつか迷った点はありましたが、だいぶできたとは思っていました。
すぐに成績が出て予想以上に良い点だったので、「おおっ」という感じになったのを覚えています。
森宮
1カ月の試験期間の中で2回受験する人も少なくありません。1回目を腕試し、2回目を本番の形で挑戦しているようです。三輪さんは一発で合格でしたね。
三輪
計画的に落ちても仕方がないと考えていました。
ただ、7月初めの最初の週末に受験したので、失敗してもすぐに再受験できるスケジュールを組んでいました。
森宮
計画的に落ちても仕方がないというのは、どういう意味でしょう。
三輪
落ちる可能性もなきにしもあらずと考えていたわけです。
森宮
ご自身の過去を振り返ってみて、試験は得意ですか。
三輪
試験は割と得意かもしれません。
森宮
貴社資材部には2015年にもインタビューをさせていただいています。資材部には70人から80人の部員がいて、定期的に異動することから、この資格受験にずっと取り組んでいるというお話でした。
三輪さんは資材部でネットワーク調達担当と聞きますが、資材部に異動してきてどれくらいが経ちますか。
三輪
今年4月に着任しましたから、資材部に来て半年ぐらいになります。資材部関連のことはそれまで、ほとんど知らず、4月以降に学びました。
森宮
以前はどこにいましたか。
三輪
以前はネットワーク系のどちらかといえば工事や計画の担当です。どんな場所にどのような工事をし、ネットワークの品質を高めていくかを計画する部門に所属していました。
森宮
資材部の業務内容はご存知でしたか。
三輪
本当に名前程度しか知りませんでした。
工事を計画する過程では、装置の値段の見積もりはしていましたが、価格がどうやって決まるのか、どんな形でサプライヤーから調達しているのかは知らなかったのです。
だから、4月に異動して1から勉強した感じなのです。
受験勉強が資材部の実務で役立ったことは?
森宮
そうしますと、資格のことを知ったのは資材部に異動してからになるのでしょうか。
三輪
2015年にもインタビューで回答しているように、資材部としてはCPPなどを取得して調達スキルを高める取り組みを進めていました。それで、4月に着任したころ、こういう資格があることを聞きました。
僕としては調達部門の業務をよく知らず、どういう形で勉強しようかと考えていました。しかし、個々の業務マニュアルは整っているものの、調達業務全般のマニュアルは多くなく、学ぶのが難しいと感じていたのです。資格を取得するとなれば、良い目標になります。そう考えて受験してみることにしました。
森宮
資材部では担当に関係なく、着任した人は受験しているのでしょうか。
三輪
着任したらこの資格が存在することを聞いているはずです。
森宮
三輪さんはネットワーク調達の担当だそうですが、業務として調達しているのはどんなものですか。
三輪
モバイルサービスを提供するためのネットワーク機器を調達しています。弊社は物品ごとに担当を分けています。私の担当は基地局や屋内に設置されるアンテナなどの装置の物品調達です。
森宮
着任したばかりで覚えなければならない業務が多いでしょう。
その中で資格取得の準備を進めることになり、受験勉強と仕事のバランスをどう取られましたか。
三輪
基本的に業務をしっかりとやり、業務外でCPP資格の勉強をして調達のスキルを高めました。
森宮
CPP資格の勉強は結構なボリュームがありますが、中身は新任担当者の目から見て、日常の業務に役立ちましたか。
「これはちょうどいい」と感じる部分と、「これは関係ない」と思う部分でどちらが大きかったでしょう。
三輪
資格の勉強が業務にすごく貢献したと思います。
そもそも全体の流れを知らない状態で業務に入りましたから、部分的に理解できても全体の中での位置づけや役割の認識が難しかったのです。
CPP資格の受験勉強を通じ、今の業務が実際の流れの中でどこにあるのかを把握することができました。
勉強方法で工夫した点とは?
森宮
4月から新しい業務に取り組む中、受験勉強を進められたわけですが、周囲にはたくさんの受験経験者や合格者がいらっしゃいます。
そんなみなさんから何か資格についてお聞きになりましたか。
三輪
簡単な流れについては聞きました。
例えば、説明事項も試験時間に含まれているので、事前に理解しておかないと時間を食ってしまうことなどです。
森宮
結構、テクニカルな話ですね。
三輪
テクニカルな部分を教えてもらい、受験に臨みました。
森宮
三輪さんは社内研修も受けたそうですが、社内で試験対策はあったのですか。
三輪
試験対策といえるかどうか分かりませんが、企画部員が取りまとめをしてくれました。
今年受けた10人ほどの受験者でそれを見ながら、想定問題を作り、みんなで回して解くなどしました。
森宮
社内勉強という感じですかね。
三輪
そうですね。僕は想定問題を受け取って解いていただけですが、毎日昼の休憩ごろに想定問題を送ってもらいました。
森宮
メールなどで情報を共有していたわけですね。
そのような会社のサポートがある中でも、基本は個人学習になるかとい思います。
最初にガイドが届いたあとはどうされましたか。
三輪
ガイドを2度、3度と読んでいきました。
森宮
マーキングしながらですかね。
三輪
そうです、マーキングしながら読んでいきました。
読み物自体はすごく理解しやすかったので、読み込んで理解を深めることに最も時間をつぎ込みました。
森宮
「読むだけだと頭に入ってこない」との声も聞きますが。
三輪
受験する人はだいたい、業務に関わっているでしょうから、読んで実際の業務と照らし合わせて理解するのが最も効果的な気がします。
森宮
読むのは通勤中でしょうか。
三輪
通勤中もありますが、家でも読みました。
試験の1、2週間前くらいからは休日に図書館にこもってガッツリと勉強しましたよ。
森宮
週末はどんな感じだったのでしょうか。
読むだけでかなり長い時間かかると、集中力が持たないこともありますが、だいじょうぶでしたか。
三輪
自分なりにどういう問題が出るか考えるなど、勉強内容にアクセントをつけていました。
カードに問題を書き、裏に答えを記入してひたすら記憶するわけです。
森宮
問題を作れる数が限られていると思います。問題の精度が非常に高かったのかもしれませんね。
それを来年の4月に異動してきた方へ提供してはいかがですか。
三輪
そうですね、できたらいいと思います。僕は手書きで作ってしまいましたがね。
最高得点で社内で褒められました
森宮
最高得点で試験に合格したわけですが、点数も社内に報告が上がっていると思います。
社内で何かひと言ありましたか。
三輪
会社に報告したところ、、「購買・調達分野における専門知識スキルが高いことを社外にアピールできた」ということで、月例の朝礼の場で表彰されました。ちょっと恥ずかしかったですね。
森宮
それは合格についてのことでしょうか。
三輪
いえ、最高得点を取っことです。
森宮
やはり点数がすごいということですか。
三輪、
はい、その点を評価していただきました。
森宮
2007年以降で本当に最高得点なのです。
前回も同じ点の人が出ていますが、正真正銘の最高得点です。歴代タイということになります。
三輪
最高得点を取って、今回の件も含めて社外へ調達力をアピールできたことは非常に光栄なことだと感じています。
森宮
受験勉強で苦労した点はありましたか。
三輪
やはり出題される範囲が広い点でしょうか。冊子としてもかなり分厚いので、全部読んで理解するには時間がかかりました。
森宮
テキストの内容で業務に使えたところと、逆に使えなかった個所はどこでしょうか。
三輪
サプライヤー評価は弊社でもやっていますが、自社の評価項目と少し違う部分がありました。
その辺りは今後、弊社のサプライヤー評価を見直すうえで参考になると感じました。また、サプライヤDBの構築等においても今後テキストを活用できたらと考えています。
森宮
開発購買はどうでしょう。
三輪
概念はなかなかのものだと思いますが、うちはサプライヤーで開発してもらい、その物品を受け取るのが基本です。そういう部分の戦略があれば、弊社としても助かるとは思いますね。
森宮
三輪さんは若いですが、マネジメントの分野はどうだったですか。
三輪
資材部には結構若い人もいますから、マネジメントをそこまでやってきておりません。
そういう部分を学べたのは助かりました。
資格を生かしていきたいこととは?
森宮
資材部の人は何年ぐらい在籍するのですか。
三輪
2、3年ぐらいだと思います。
開発や工事部門に行くこともあります。全く違う部門へ移ることもあるのです。
森宮
御社の場合、資材部に限らず、それくらいのローテーションで異動するのでしょうか。
三輪
そうです、2、3年がローテーションの基準になっていますね。
森宮
違う部署へ異動しても、その部署の学習ツールは用意されているのでしょうか。
三輪
ある程度のマニュアルはあります。
森宮
では、CPP資格のような結果が見やすいものはどうですか。
三輪
なかなかないと思いますね。社内資格みたいなものがないので、基本的に資格は外部のものを取得しています。
森宮
以前、別の会社で資材部に来ればこの資格を取得させ、他部署に対して自信を持って送り出せる人材にして送り出します、という話を聞いたことがあります。確か食品会社だったと記憶しています。
資格所得を人材育成の手段として宣伝していたわけですが、三輪さんは資材部以外でCPPの話をお聞きになったことはありましたか。
三輪
正直なところ、聞いていません。うちの場合は資格取得が強制ではありません。
誰もが調達業務をするうえで必要になる知識ですから、努力目標みたいな感じでやっています。みんなで取れたらいいねといったところですかね。
森宮
この資格を取得したことがどんなことに役立つとお考えですか。資材部の仕事に限らず、生かしていきたいことはありますか。
三輪
今の資材部では、ガイドと異なり、弊社独自でやっている部分があります。
両方のやり方を比較し、より良い方法がガイドのものだとしたら、取り入れていくことが必要でしょう。
ただ、資格はCPPのB級なので、A級もしっかり取り、知識をもっと生かせるようになってからにしたいと考えています。
森宮
A級が推奨されているのですか。
三輪
やはり推奨されます。
森宮
それなら、ぜひA級を目指してください。B級に合格し、知識がホットなうちにA級を受ける人が多いのです。
三輪
A級は難しいと聞いています。
森宮
でも、御社にはトライして合格した人がいるでしょう。
三輪
そうですね、その人からアドバイスを頂きながらやっていこうと思います。
森宮
仕事をしながら資格試験に挑戦するのを気が重いと考える人がいます。社内で合否もすぐ、知れ渡りますから、余計でしょう。そのような人たちにメッセージをお願いします。
三輪
資格を取るというより、業務に必要な知識を習得すると考え、勉強する方がいいでしょう。
実際に業務で使え、応用できないと意味がないし、そう考えた方がモチベーションを保てるのではないでしょうか。
業務に生かすための勉強と考えることが1番大事だと思います。
そしてそれが生かせるものになっていると思っています。
森宮
メッセージ承りました。ありがとうございました。