CPP公式ガイド改版委員インタビューその4|1年間の改版作業の中で一番大変だったこととは?
CPP公式ガイド改訂委員の藤田敏さん(調達科学研 代表)に、今回のガイド改版についてお話を伺いました。(以下敬称略)
1年間の改版作業の中で一番大変だったこととは?
2014年の8月頃から着々と進めてきた改版作業の中で、一番大変だったことはなんでしょうか。
藤田
前回の改版から5年が経っていますから、その間の世の中の変化は非常に大きなものがありました。
世の中の変化に対応するという部分では、メンバーで様々な意見のやり取りもあり、また「調達プロフェッショナルスタディーガイド」は、あくまでも基本的な教科書にしようという考えがありましたので、言葉選びも慎重に行ってきました。
そうした言葉ひとつを取っても、かなりもう、1時間位のディスカッションをするような場面もありましたね 笑
でもそれは大変なことというよりも、非常に密度の濃い議論をすることで、きちんと定義づけされた用語を「調達プロフェッショナルスタディーガイド」に掲載できたのではないかと思っています。
実際に「調達プロフェッショナルスタディーガイド」を手にしたことのある方はお分かりだと思うのですが、これが中々分厚い。
取り扱い領域がとても広く、内容量も多いうえに、専門書のように書かれている文章も一部ありましたので、なるべく初心者の方にも読みやすく、理解しやすい文章になるように表現も心掛けて書いたつもりです。
例えば、生産管理や品質管理、納期管理など、それぞれ節があるわけですが、それらを単純に一般理論としての生産管理、一般理論としての品質管理といった表現にするのではなく、もちろん基本は踏まえたうえで、調達の業務に携わっている人たちが、それらの管理技術をどのように使えばいいのかということを、バイヤーの目線で記述するという点は、とても意識したところです。
そういった意味では、先程も触れましたように、基本部分をきちんと押さえた内容でまとまっていると思います。
応用の記述部分もたくさんありますけれども、そこはどちらかと言うと限られた範囲に絞って、本当に専門的な勉強をされたい方には、そこは専門書に委ねるという形で割り切りました。
自分で言うのもなんですが、とても基本的で教科書的な、いいガイドブックに仕上がっているのではないかなと思っています。
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例えば、ある項目を追加しようとする際に、入れたほうがいい、入れないほうがいいといったような、メンバーの方との議論はスムーズに行われたのでしょうか。
藤田
例えば、原材料調達という項目を新しく作りたいという話が出た時に、原材料調達にはこういうことを書いていかなきゃいけないというイメージを、それぞれメンバーの中では持っているのですが、たたき台となる原稿がないと、良いとか悪いとか、いやこれは違うのではないかとか、ここはもう少しこういう形で補足の説明があったほうがいいというような議論ができないということがありますよね。
これはかなり自主的に手を挙げてやって頂いたのですが、まずは、たたき台を作ってくれる人が書いた原稿を皆で建設的議論を行い、肉付けして作り込んでいったという感じです。
また、新しく節を追加するだけではなく、新しい節にするよりも、どこか今までにあるところに組み入れたほうがいいと思える項目については、章立ての組み替えを行ったところもいくつかありますね。
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