東京電力・谷口氏 松本氏 五十嵐氏 インタビューその2|CPP資格受験へのプロセスとは?
東京電力ホールディングス株式会社
谷口 正洋さん(経営企画ユニット グループ事業管理室 調達管理グループ 能力開発担当課長)
松本 理奈さん(廃炉資材調達センター 廃炉調達企画グループ 副主任)
東京電力パワーグリッド株式会社
五十嵐 正和さん(資材調達センター 調達改革第二グループ 課長)
にお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
CPP資格受験へのプロセスとは?
森宮
御社に限らず、CPP受験を検討する企業はみなさん、同じような問題意識を持っていると思いました。
ただ、御社は規模が非常に大きい受験状況となっています。
簡単に「やってみようか」、「じゃあ、やろう」で受験に至ったのではないと推察します。
どのようなプロセスを経て受験となったのでしょうか。
谷口
調達業務を改革し、高度化するための知識習得という目的がありましたから、トップから変わる必要があると感じ、メッセージを発信していただくことにしました。
それで部長を説得することにしたわけです。
自分たち数人がまず受験したところ、非常に役立ちそうに思えました。
受けたみんなで相談し、今回来ている五十嵐、松本に説得をお願いしました。
どんなことになっていったかは、五十嵐と松本から聞けると思います。
森宮
合格者である五十嵐さんと松本さんにも同席いただいています。
まずは五十嵐さんから現在の担当業務を自己紹介も兼ねてお願いします。
五十嵐
私はパワーグリッドに所属しており、調達改革第二グループの一員です。
私のチームの業務は取引先登録など取引先の管理です。
資材部門での調達は、基本的に一見さんとは取引していません。
これはリスクマネジメントの一環です。
私どもの方で弊社と取引を希望される会社の財務面や製品の品質面などを事前に確認させていただき、審査したうえで、合格すれば初めて取引先として登録しているのです。
弊社が何かを調達する際、調達先として選ばれる資格が登録によって得られることになります。
財務面などに不安を抱える会社と取引すると、将来的に契約上のトラブルが発生する可能性があります。
そうしたリスクを回避するために登録した取引先以外との取引はしないようにしています。
その取引先登録業務の審査や承認をするのが私の役割です。
あとは谷口と一緒に部門内研修の講師役なども務めさせていただいています。
最近よくやっていたのは、異動の時期の転入者研修です。以前と違って異動の時期が不定期になり、臨時で対応することが多くなりました。
本社の資材部門に初めてきた人に対し、資材部門の概要や主立った取り組みなどを説明するほか、契約手続きの流れや公正取引の注意点、調達システム関係の注意点などを解説しています。
ほかにはCPP-B級取得の勉強会の講師になり、松本とともにCPPの浸透活動を手伝っているところです。
森宮
多岐にわたる業務を担当されていますね。
面白いと思ったのは、調達購買開始前の登録審査です。
御社の特徴的な業務の1つだと感じました。
購買先を精査する基準やそれを判断する知識などが必要になってきますね。
五十嵐
そうですね、私が所属するグループでは主に財務面を見ています。
資本欠損がないか、債務超過に陥っていないかなどを確認しているのです。
技術面は技術所管部門の方に審査をお願いしています。
必要な書類を提出してもらい、合格となれば取引先として登録します。
これで初めて調達先候補の1社になります。
森宮
続きまして松本さんにお願いします。
松本さんは廃炉カンパニーということですから、業務内容がちょっと異なってくるかもしれません。
松本
社内カンパニー制が敷かれる中、私が所属する廃炉カンパニーは福島第一原子力発電所の廃炉に向け、ロードマップに沿って作業を進めています。
私は廃炉に必要な資材の調達を担当する廃炉資材調達センターにいます。
実際に物を買うことや契約業務はやっていません。
センター全体の業務計画を作り、調達金額の大きいものを中心に年間のコストダウン目標額を決めるのが仕事です。
目標を立てるカテゴリーの選定や全体の調達方針の検討も私の部署の担当です。
企画部門に所属していますから、調達機能を組織としてどう強化するかについて常に考えています。
JMAC((株)日本能率協会コンサルティング)さんの力を借りて廃炉資材調達センターの組織力の点数を教えてもらっていますが、うちのセンターに足りないものを強化する取り組みも進めています。
廃炉は最近出てきた活動ですが、他のカンパニーと比較して競争力が足りない部分をいかにして強化するかを考え、方針を立てて進めることになります。
それと、研修の講師で五十嵐、谷口のお手伝いをさせていただいています。
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