戸田建設・滝沢氏 インタビューその3|改革を進めた道のりとは?

戸田建設の滝沢さん(建築本部 コスト管理センター 建築購買1部 次長)にお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)

改革を進めた道のりとは?

横田
2015年頃から滝沢さんの中で段々と問題意識が高まってきたのでしょうか。

 滝沢
そうですね。

横田
やはり時間がかかりますか。

滝沢
かかりますね。

まず、2014年のHITからしていったい何が始まるのか分からない状態でスタートしました。このときはまだ、働き方改革という言葉は今ほど使われていませんでした。時間外労働がかなり多かった時代です。そんな中でシステム科学の石橋社長から「残業ゼロにしなさい」「机の中の紙を一旦全部捨てなさい」と過激な指導をされ、われわれも首をひねりながら、セミナーに参加していました。気持ちが変わらないと先へは進めませんよね。

横田
現在の立ち位置をはっきりさせ、あるべき姿をしっかりイメージしなければいけないということですか。

滝沢
そうです、そのようなときに非常に良いタイミングでCPP特別講演会の招待が来たのです。オリンパスさんの調達革新の講演会でしたが、建設工事の発注者側の調達の方の革新への気持ちを理解できれば、われわれの業務にもプラスになるだろうと期待して受講しました。そういう意味では、製造業の方向性は常に参考になる存在なのです。

横田
2014~15年のHIT活動は本社の建築購買部にコンサルタントが入ったということですか。

滝沢
はい。本社の建築購買部のほか、本社人事部、ICT戦略ユニット、東京支店の建築工事部や四国支店総務部が第1回として参加しました。(第5回までかけて全店的に取り組まれた)こういう取り組みはやはり会社として対応しないと、動いていきません。

横田
購買部署に私たちのコンサルタントが入るときは一般的に、「御社の実力はこれぐらいで、問題点がここ」といった診断からスタートします。講演会のケースもそうでした。
まず現状の問題点を見える化して共有することから始めます。

滝沢
会社全体が企業における調達の重要性を認識し、調達がシステマチックに進展しなければいけないという認識を共有できるといいですね。

横田
2012-13年に業界が苦しくなって御社にはコスト管理センターができたわけですよね。
でも、最近の建設業界は景気がよく、割とイケイケで、そういう危機感はないのでしょうか。

滝沢
建設業界は昔のバブルのころ投機的になって失敗しています。
私たちの世代はその経験がありますから、2度と同じ過ちを繰り返さないでしょう。だから、今何かをやろうとしているのです。調達部門は人に投資するか、システムに投資するしかありません。そういう意味で担当者に高度な調達スキルを身に付けてもらいたいのです。

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