新日鉄住金エンジニアリングインタビューその3|「まず、やってみる」ことのメリットは?
「おのずと“学びたい”という雰囲気が醸成されていったという事だと思います。」
CPPホルダーの新日鉄住金エンジニアリング 横山茂生さん(調達本部 調達企画部 外注契約室 シニアマネジャー)、八島一裕さん(調達本部 調達企画部 鋼材調達室 室長)を訪問しました。
(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
「まず、やってみる」ことのメリットは?
--CPP資格制度の導入にあたってどんなことが困難でしたか?
八島
2007年にCPP資格制度が始まって、当時の室長が各室から数名ずつ指名して受けてもらいました。
横山
トライアルではじめたのです。
八島
そこから始まっていますので、導入にあたっては、「やってみてから評価する」という考え方でした。
我々の順番が逆なのかもしれませんが、「世間一般がやっているからやった」ということではないのです。
そういう意味では導入にあたっての困難性というのは、感じませんでしたね。
--トライアルの評価を経たあとに、社内展開される段階ではいかがでしたか?
横山
調達部門を統括する調達本部長、及び各調達部長の了解も得ていますし、受験料も会社負担にしています。
そういう支援をすることで、個人のニーズにも合致したと思います。
また、本部組織として、「横串機能を強化する」、あるいは「集中購買をやっていく」ために、基盤になる調達に関する行動指針や内部統制や規程類を整備していくことは必要条件になります。
その面で、組織のニーズにも合致していたので、特に障害、障壁は、無かったです。
八島
強いていえば、「試験を受けることを強制していいのか?」という点があるか、とは思います。
忙しい人もいますし、受けたくない人もいます。
その人達に共通言語で話すまでレベルアップをしてもらうのですから、それなりに個人に負荷がかかります。
勉強する内容も簡単ではありません。
どこまで強制できるかは難しい面があるだろうと思います。
また、「調達実務を知っている」と自負している人達に、世間一般の他社のしていることを知ることのメリットを理解させるのに困難性はあったかもしれません。
--そういう方にはどのように対応されたのでしょうか?
八島
無理強いはしないということです。
トップがいくらやれといっても、やらない人はやらないです。
最終的には、その人が必要性を感じるか感じないか、個人次第だと思っています。
そして、必要性を認識している周囲のものが学んだ知識を業務に活かすことだと思います。
職位が下の者も含め、周囲の人達が、一生懸命学び、知識を身につけて行くのをみて、「ベテランが、それでいいのか?」という思いを抱くというのは自然なことだと思います。
私たちは、そこのマインドをどういうふうにアップするか、サポートするか、の環境をつくることが大事だと思っています。
--そういう方々もだんだん受けるようになってきたのでしょうか?
八島
はい。自分達が取り残されていくのは格好悪く感じる面もあるかもしれません。
横山
おのずと「学びたい」という雰囲気が醸成されていったという事だと思います。
ちなみに、弊社には組織単位での社員の努力に対しての表彰制度があります。
一昨年、このCPP資格制度への取り組みを含めた組織的な調達力向上活動について調達本部が受賞しました。
先ほど申し上げたように、エンジニアリング業における調達のウェイトは大きくて、良い物を競争力ある価格で買うことは会社の営みとしては重要なことです。
その基盤整備として、組織的に取り組んだことが表彰理由となりました。
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