オリンパスインタビューその6|グローバルセンター機能とは何か?
CPPの役割は、資格制度だけじゃないのだと思います。
考え方の統一や、ロジカルに調達機能を考える教科書として受けとめているのです。
CPPホルダーのオリンパス 奈良昭彦さん(ものづくり革新センター 統括室 購買企画部 部長)、羽田修一さん(ものづくり革新センター 統括室 購買企画部 購買企画グループ グループリーダー)を訪問しました。日本能率協会の安部武一郎がインタビューします。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
グローバルセンター機能とは何か?
(安部)
自社の調達機能のあるべき像については、各社悩まれてると思いいます。
グローバルセンター機能を持つということは、ものを作るだけじゃないということですよね。
(奈良)
アジアの拠点に関しては、自分達で工場を作って、日本の仕組みをいれて立ち上げています。
ですからアジアの調達機能は日本流というか、日本と共通性があると思います。
欧米の製造、調達機能は、他社を買収したところも多く、文化も違うし、考え方も違い、そこを束ねていくのは、なかなか難しいことです。
CPPの役割は、資格制度だけじゃないのだと思います。
考え方の統一や、ロジカルに調達機能を考える教科書として受けとめているのです。
一元化するには、どうしたらいいかの答もその中にあるでしょう。
ただそれは企業によって事業の内容が違うので、仕掛け方とか、考え方、どうアプローチするのか、やり方は変わってくると思います。
(安部)
なるほど、新しい活用の仕方を教えていただくことができました。
これまで、基本的に調達のお仕事は、属人的な内容が多かったのではないかと思います。
そのため、スキルを明確化して評価もしっかりできるようにしたいという願いもありましたが、人材育成に加えて社内のベクトルあわせにも活用いただけるというのは、我々も非常に参考になりました。
スキルマップを一元化する目的とは?
(奈良)
育成という面でもしっかり活用していて、そこは羽田が詳しく説明できると思います。
社内研修も新任研修、初級、中級の3講座だったのを、開発購買、査定購買といろいろなカリキュラムを増やして、13講座に増やしています。
それと羽田が中心で動いているスキルマップ作成というのがあります。
「調達のスキルとは何か?」をCPPの教科書から洗い出して、それを全社で統一したスキルマップにしようとしています。
(羽田)
スキルマップというのは、実際にはどこにでもあると思います。
メンバーの力量をどれだけ評価するのか。
今回我々が、手がけようとしているのは、各事業部門事にバラバラにあった力量表、スキルマップを、全社で一元化するということです。
それを狙って、作り始めています。
各事業毎に、個別最適で作っていたスキルマップを、共通性があり普遍性のある尺度で、すべてのメンバーを評価する。
更に比較可能なように、データを一元化する取り組みをしています。
その時に参考にしたのが、CPPのスタディーガイドです。
スタディーガイドに記載されている業務をすべて読み解くと、調達の中にはどういう業務があるのかを、洗い出すことができました。
その業務が、各部門にどういうふうに区分けされ、担当分けされているかがベースにありますが、CPPを使ってスキルマップを検証することによって、抜け漏れがないものが作れました。
また、誰にみせてもわかりやすい言葉、標準用語で書いてあるスキルマップが、作れたと思っています。
いままさに、トライアル中ですが、わりとスムースに受け入れてもらっているようなので、狙ったように標準化できそうだと期待しています。
(安部)
バイヤーの正しい評価を実施するということでしょうか?
(羽田)
正しいというより、現状把握がうまくできるということですね。
(安部)
バイヤーの現状把握って、以前は難しかったと思うのですが..。
(羽田)
スキルを見える化するのは、外部に見える化するだけでなく、本人にとっても非常に有効だと思いますね。
自分でスキルをまとめてみると、例えばサプライヤーの折衝はすごく得意だけど、戦略は、あまりやってこなかったなと感じることもあるでしょう。
棚卸後に弱み、強みがはっきりしたあとどうするのか、となると当然「勉強しなければ」、「育成しなければ」ということになります。
それがCPPのスタディーガイドと連動していればその後の育成計画もたてやすいですよね。
そういうことを狙って、ひとつの柱としてCPPを活用しているということです。
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