アサヒビールインタビューその4|「共通認識」が「戦略実行」におよぼす影響とは?
CPPホルダーのアサヒビール 門倉泰昭さん(研究生産本部 調達部 部長)、黒川哲平さん(研究生産本部 調達部 原料グループ 副課長)を訪問しました。
日本能率協会の安部武一郎がインタビューします。(以下敬称略)
「共通認識」が「戦略実行」におよぼす影響とは?
門倉さんご自身が、CPP資格を取得されて、一番役にたっているのはどんなことですか?
(門倉)
今の環境変化、これからの環境予測を踏まえて、メンバーに対して「今後どういうことをやるべきか」を発信する基礎になっている、共通認識となっていると思います。
CPPを勉強していくと、受けとめる受信者側も感度が高くなると思います。
発信者の発信したいことを、ちゃんと受けとめてもらえます。
発信側、受信側両方の感度を高める為に役に立っています。
そこが高まってくると、その次のステップとして、「どういう課題があって、何をやるか」というディスカッションができるようになります。
スタディーガイドの中に、「調達基盤の強化の6つの要素」があって、それに基づくと、自分達の会社はどういう状況で、どこまでレベルをあげるかという戦略立案の時の目安にもなると思います。
実際に戦略立案の時の目安にさせてもらっています。
あとは、「調達戦略の4つの視点」というのがありましたが、その考え方は、実際に私が作った役員へのプレゼン資料にもその考え方は使わせてもらっています。
(安部)
社内での共通言語ができると、基盤の知識と、共通の理解が浸透し、スムーズにスピード速く、効率的に戦略を実務に落とせるということでしょうか?
(門倉)
そうですね。
やっぱり共通の価値観、共通認識を持つことが大事だと思います。
CPPはその為の基礎作りになると思います。
全体観の把握で得たこととは?
黒川さんは、受験いただいて1ヶ月強たってみて、役にたっているなという実感はありますか?
(黒川)
私自身が調達部門で仕事をし始めたのが約1年前の9月からです。それまでは、研究部門にいました。
そちらでは実験をしたり、ビールを造ったり、目に見えるものが動く仕事をしていました。
先輩の背中を見れば学べる部分があったのです。
しかし、調達部門に移ってみて感じたのは、デスクワークも多く、サプライヤーさんとの打合せも関係者のみで、なかなか学ぶ機会が少ないということでした。
その中で全体像を把握できなくて、海の中をさまよっているような印象をもっていたのです。
CPPを勉強することで、「メンバーがどんなことを考えているのか」を少しは理解ができるようになったと感じられて、それが一番役に立ったと思います。
もちろん、個々の関連法規とか、知識の部分も役に立っていると実感しています。
(安部)
CPPの範囲の中で、具体的にこの領域を担当しているということはありますか?
(黒川)
私は、今、麦芽と大麦の担当をしているのですが、そのアイテムの中で幅広い知識が必要となってくる仕事をしています。
(安部)
スペンドアナリシスや開発購買といったテクニカルなことも勉強いただいていると思います。
そういうところは、これからお役に立ちそうでしょうか?
(黒川)
確かに自分が業務としてやっていることは、スタディーガイドの理解も進みますね。
逆に実務経験がない領域は、難しかったです。
でも、それが新しい知識になりますので、そういったところは活用していきたいなと思います。
(安部)
全体像の中から「自分が、どの業務をしているか」客観的にみていける。
(黒川)
自分が今やっている仕事が、どの分野の仕事で、取り扱うアイテムについて、どの分野の仕事が足りていないかがわかる。
そういう全体像の把握、バランスの取り方にすごく役にたっています。
(安部)
全体観を知ってやるのと、知らないでやるのでは、業務の効率は違うのでしょうね?
(黒川)
もちろん、今でも見えてないところは沢山あると思います。
でも、少しでも視野を広げたことでだいぶ見えるものが変わったと思います。
もし、知識がなく視野が狭かったら一部分に固執して、力のかけ方とか時間の使い方が上手くできてなかったかもしれない、と感じます。
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